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Unity、建設・建築業界向けアプリ「Unity Reflect」最新版をリリース、大規模モデルの読み込みパフォーマンスを向上

 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社(以下、Unity)は4日、建設・建築業界向けのアプリケーションスイート「Unity Reflect」の最新バージョンをリリースした。

 Unity Reflectは、BIMデータをUnityで手軽に扱えるようにすることを目的とした建設・建築業界向けのアプリケーションスイート。建設・建築プロジェクトにおいて、デバイス・場所を問わず、複数のユーザー間でリアルタイム3Dを活用したコラボレーションを可能にする。

 主に建築担当者向けにプロジェクト設計レビューなどのソリューションを提供する「Unity Reflect Review」や、その閲覧機能に特化した「Unity Reflect Collaborate」、建設・建築業界向けのカスタムアプリケーション開発を実現するためのソリューションを提供する「Unity Reflect Develop」といった、ユーザータイプや利用用途に合わせた製品が用意されている。

 最新バージョンの「Unity Reflect 3.0」では、大規模モデルデータのパフォーマンスを向上。新たなアクターシステムにより、マルチスレッド化、ロードの高速化、フレームレートの向上により、モバイルデバイスでの大規模モデルでのクラッシュの減少を実現した。また、HLOD(Hierarchical Level of Detail; 階層的詳細レベル)により、モデルの異なるレベルのディテールを段階的に読み込めるようになった。

 これらの機能により、モデルのサイズに関わらず、ほぼ瞬時にモデルを開いたり、必要なときにだけ詳細を自動的に読み込めるようになり、これまでのバージョンとの比較で、大規模モデルのパフォーマンスが最大で10倍になったとしている。

 また、以前のバージョンでは、Revit、BIM 360、Navisworks、SketchUp、Rhinoのプロジェクトに対応していたが、新バージョンでは新たにGraphisoftのArchiCADに対応した。

 卓上ARモードでは、以前のバージョンではセッション開始のたびにモデルの位置合わせを行う必要があったが、新バージョンではマーカーベースAR機能により、3DモデルにQRマーカーを作成し、それを印刷してモバイルデバイスやタブレットでスキャンすることで、実世界で即座にモデルを読み込めるようになった。

 新たなプレゼンテーションモードとしては、Unity Reflect Reviewを使用するプレゼンターのカメラビューを、Unity Reflect Collaborateの利用者を含めた関係者にプレゼンターが見ているものそのままを表示できるようになった。モデルの中に入っている全員に、自分のカメラのビューをリアルタイムで見てもらえるため、インタラクティブにデザインレビューを行いながら、関係者もリーダーの視点を一緒に追いかけられる。

 さらに、新たにゲストユーザー機能を追加。これまでは、プロジェクトモデルを共有するには、クライアント側もUnity IDを取得して閲覧する必要があったが、新バージョンのUnity Reflect Reviewでは、クライアント側はUnity IDでのログイン無しで、ゲストとして読み取り専用モードでプロジェクトを見られるようになった。これにより、Unity Reflect Reviewを使ったプロジェクト共有の手間が大幅に削減されるとしている。