ニュース

セゾン情報システムズ、企業間のマスターデータ連携を行う新サービス

ECサイトごとの商品マスター登録の作業負荷を削減

 株式会社セゾン情報システムズは、企業間マスターデータ連携ソリューション「HULFT Master Entry Service」を2月22日から提供開始した。同日には、新サービスをリリースする狙いやサービスの概要について説明会が行われた。

 「HULFT Master Entry Service」は、企業のマスターデータ(製品マスター、部品マスター、商品マスターなど)を取引先のシステムに合わせて変換することで、取引先ごとに手作業で実施していたシステムへの入力処理を排除し、それによる運用品質の安定、販売の迅速化を実現するサービス。長年、百貨店をはじめ小売販売企業をITで支えてきた同社のノウハウを生かし、まずは、百貨店など複数のECサイトに広く展開している化粧品ブランドを皮切りにサービスを提供する。

「HULFT Master Entry Service」の概要

 セゾン情報システムズ 流通ITサービス ビジネスユニット エンタープライズサービス2部 部長の尾崎宏和氏は、新サービスをリリースする背景について、「現在、様々な業種・業態の企業で、商品の製造から生活者の手元に届くまでの流通フローにおいて、商品マスターの作成・管理に多くの課題を抱えている。例えば、メーカーやブランドがその商品を百貨店ECサイトに登録するためには、煩雑な商品マスター登録作業が必要であり、ECサイトごとに異なるフォーマットの作成を手作業で行っている。とくに、化粧品会社では近年、消費者のECサイト利用の増加にともない、ECサイトでの取扱商品数を増やす傾向にあり、手作業による商品マスター登録はさらに負荷が高まることが想定される。そこで今回、ECサイトへの商品マスター作成・登録にかかる作業負担を軽減するべく、『HULFT Master Entry Service』を提供する」と説明した。

セゾン情報システムズ 流通ITサービス ビジネスユニット エンタープライズサービス2部 部長の尾崎宏和氏

 「HULFT Master Entry Service」の利用イメージとしては、まず化粧品会社が、百貨店ECサイトに登録したい商品マスター情報を送付する。次に、その商品マスター情報をもとに、同サービスが各百貨店ECサイトごとのフォーマット作成・データチェック・補正を自動で実施。掲載先ECサイトの運営部門に登録用データを送信し、商品登録を行う。

化粧品会社における「HULFT Master Entry Service」の利用イメージ

 セゾン情報システムズでは、新サービスの提供にあたり、2021年7月から9月までの約3カ月間、資生堂ジャパンとのPoC(概念実証)を実施している。このPoCでは、今まで手作業で行っていた、商品情報(商品コード、商品名、商品の説明文)を各百貨店のECサイトに対応したフォーマットに変換する作業を自動化することで、作業負荷を約80%削減できることを実証したという。

資生堂ジャパンとのPoC実施例

 尾崎氏は、新サービスの導入で期待される効果について、「ECサイト運営の担当者は、手作業でのフォーマット変換・入力が軽減されることで、作成時間の短縮によるコスト削減とともに、本来の業務に専念できるようになる。また、定義した作成ルールでフォーマットファイルを自動作成することにより、作業品質を一定化でき、想定外の問い合わせや修正対応を最小限に抑えられる。さらに、商品登録情報を早期に作成することで販売までのリードタイムを削減し、よりタイムリーな品揃えを実現できる」としている。

 今後は、「HULFT Master Entry Service」の機能を拡充し、様々な業界・業種が運営する外部ECサイトと直接連携することで、顧客のさらなる効率化、利便性の向上を支援していく。また、セゾン情報システムズが提供開始予定の次世代クラウド型データ連携プラットフォーム「HULFT Square」上で、化粧品以外の小売業、製造業、卸売業などマスターデータ連携が課題となっている業界・業種に拡大していく予定。

 サービス利用料(税別)は、初期費用なし、月額5万円から。