ニュース

PFU、最大90枚/分のADF型ドキュメントスキャナー「fi-8190」など3機種を発売

自動トルク制御などの新機能で高速かつ安定した読み取りを実現

fi-8190

 株式会社PFUは25日、業務用イメージスキャナー「fiシリーズ」において、ADFタイプのA4高速イメージスキャナー3機種を販売開始すると発表した。最大90枚/分の読み取りに対応した「fi-8190」、同70枚/分の「fi-8170」と、機能を一部省略した、同50枚/分の廉価版「fi-8150」をラインアップする。出荷開始は2月28日の予定。

 これらの3機種は、既存モデル「fi-7180シリーズ」の後継製品に位置付けられ、新開発の光学系技術「クリアイメージキャプチャ」を新たに採用した。起動時間の短縮や省電力を実現しつつ、独自の専用画像補整プロセッサにより、色ずれの発生を抑え、再現性の高い画像を生成できるという。また、「スペクトラム最適化機能」が従来機と同等の画像品質を維持しているので、PFUの従来機を利用している企業の環境にも、安心して導入できるとのこと。

 またfi-8190とfi-8170の上位2機種には、原稿積載枚数に応じて最適な分離トルクへ切り替える「自動トルク制御」と、画像監視による原稿保護機能を搭載するなど、給紙搬送性を強化したほか、コンパクトサイズながらクラス最速の読み取り速度を実現している点が特徴だ。

 このうち自動トルク制御は、積載枚数が4mm以上の場合には強い分離トルク(紙を分離する力)を、積載枚数が4mm以下の場合には通常の分離トルクをかけることにより、安定した給紙を可能にする仕組み。給紙ミスによる中断を防ぎつつ、高速な読み取りを可能にしているので、最大100枚までの原稿をセットできる大容量トレイの効果を生かせるとのこと。

 原稿保護機能については、従来、ステープル付きの原稿などを搬送した場合に異常音を検知し、搬送を止める「iSOP」技術を搭載していたが、原稿の傾きをリアルタイムで監視する画像監視機能によって、より快適で安心な読み取りを実現した。

 加えて、「手差し・単送モード」においては、パスポートや通帳、年金手帳など、厚さが7mmまでの冊子もキャリアシート不要で読み取り可能にした(fi-8150はキャリアシートが必要)ほか、シールや写真が張り付けられた原稿や、厚みのあるプラスチックカードを識別することで、マルチフィードと誤検知することを防ぐ「マルチフィード検出」機能の強化、サイズが異なる原稿を混載してスキャンしても、排紙時に紙を散乱させずにきれいに整頓する「スタッカーサポーター」の搭載など、さまざまな面で強化が行われている。

 インターフェイスは、USB 3.2に加えて有線LAN接続に対応。PCとのネットワーク接続を可能にしたほか、管理ソフトウェア「PaperStream NX Manager」を用いた集中運用環境を構築すれば、仮想環境やシンクライアント端末、スマートデバイスなどのWebアプリケーションからのスキャンも行えるとのこと。

 価格(税込)は、fi-8190が23万1000円、fi-8170が15万4000円、廉価版のfi-8150が13万2000円。このほか、各機種のフラットベッド一体型モデル3機種も同時に発売され、「fi-8290」が36万3000円、「fi-8270」が23万1000円、fi-8250が19万8000円。

 PFUでは今回の新製品について、発売後1年間に国内で1.5万台の販売を目標としているが、そのうち7割程度がコストパフォーマンスの高いfi-8170になる見込み。もっとも高速なfi-8190は、大量の伝票を扱う用途での使用を想定している。