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日立、「JP1」最新版およびSaaS型運用統合プラットフォーム「Ops I」を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は24日、統合システム運用管理「JP1」および「JP1 Cloud Service」を強化し、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けたIT運用の変革を支援すると発表した。

 JP1については、最新版のJP1 V12.6を1月31日から提供する。JP1 V12.6では、ジョブ管理において、Amazon Web Services(AWS)上のサービスに加えて、新たにMicrosoft Azure上のサービスとの連携機能を提供し、マルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境をまたがる一連の業務の自動実行を容易にする。これにより、クラウド化が進むエンタープライズシステムの安定稼働を支援する。

 JP1 Cloud Serviceについては、新サービスとして、SaaS型運用統合プラットフォーム「JP1 Cloud Service/Operations Integration(以下、Ops I)」を3月31日から販売する。

新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」の概要図

 Ops Iは、運用にソフトウェア技術を積極活用して、自動化や標準化による信頼性向上を促進するSRE(Site Reliability Engineering)の考え方に基づき、人手に依存していた運用作業をソフトウェアのコードとして記述し実行・管理・再利用を可能とする運用のコード化(Operations as Code)を実現する。

 サービスデスクや監視、定期メンテナンス、セキュリティ対応といった運用作業をシステム間で標準化し、サイロ化した運用を統合する。具体的には、運用作業の審査承認フローや作業内容などを、使いやすい単位に分けてコード化し、バックアップなどの定常運用や、障害対応など随時運用の項目に合わせた運用シナリオとして管理する。運用シナリオには、JP1のノウハウをもとに日立が検証したベストプラクティスを標準搭載し、カスタマイズや新規作成もできる。さらに、運用要員のスキルや作業スケジュールを管理する機能も搭載し、スキルや作業進捗状況に合わせた適切な作業をアサインするなど、システム間での要員の共有が可能。これにより、作業を標準化し、人のスキルへの依存を低減することで、運用品質の向上とIT運用全体の統合・最適化を実現する。

 IT部門で必要とされる、運用において実行する作業が各種業界規格に準拠していることの確認や、運用監査対応のための証跡管理など、運用ガバナンスの管理にも対応。運用作業と規格との対応付けや企業固有の運用ポリシーを管理し、必要な作業が実施されているかの状況を分かりやすく可視化する。監査証跡の自動収集も可能で、これらにより運用ガバナンス向上に関するIT部門の負担を軽減する。

 また、Ops Iは、システムインフラ構築をコード化・自動化するためのInfrastructure as Codeツールや各種REST APIに対応し、ハイブリッドクラウド・マルチクラウドなど、顧客のインフラ環境や、運用変革を支える各種先進的ツールと柔軟に連携できる。例えば、導入済みのITSMツールと連携した運用作業の統合や、DXシステムにおいて重視される利用者視点のオブザーバビリティを提供するAPMツールと連携した機動的な運用が図れる。また、帳票管理ツールと連携して、各帳票が適切に記入されているかを点検した記入済みチェックリストをOps Iに自動的に取りこみ、監査証跡として活用するなどの高度な運用が可能で、これらにより、DX推進に向けた運用の統合・変革を促進する。

 製品の価格(税別)は、統合オペレーションの「JP1/Integrated Management 2 - Manager」が60万円から。「JP1 Cloud Service/Operations Integration(Ops I)」はプロフェッショナル版が月額41万5000円から、スターター版が月額24万円から、ディザスタリカバリー版は個別見積もり。

 日立では、同社自身が運営するクラウドにおいて、Ops Iによる運用統合の取り組みを始めており、運用変革の実践で得られた知見をOps Iにフィードバックしていくと説明。また、パートナー企業が提供するソリューションとの連携や、パートナー企業のノウハウの運用シナリオ化による顧客価値の拡大に取り組んでいくとしている。