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サイバーセキュリティクラウド、Google Cloud Armorに対応したWAF自動運用サービスを発表
新サービスの販売代理店契約をアイレットと締結
2021年11月26日 06:15
株式会社サイバーセキュリティクラウドは25日、パブリッククラウドで提供されている「AWS WAF」「Azure WAF」の自動運用サービス「WafCharm」を、Google Cloudユーザー向けのWAFサービス「Google Cloud Armor」に対応させた新サービス「WafCharm for Google Cloud」を、同日から提供開始すると発表した。あわせて、アイレット株式会社と「WafCharm for Google Cloud」の販売代理店契約を締結したことも発表されている。
なお同日には、「WafCharm for Google Cloud」のサービス概要およびアイレットとの取り組みについて説明会が行われた。
Google Cloud Armorに対応したWAF自動運用サービス「WafCharm for Google Cloud」
「WafCharm」は、機械学習を用いて最適なWAFルールを自動運用するAIエンジンを搭載し、専任のセキュリティエンジニアなしに、パブリッククラウドで提供されるWAFを活用できるサービス。2017年から、「Amazon Web Services(AWS)」が提供する「AWS WAF」ユーザー向けに提供をはじめ、2020年には「WafCharm Azure版」の販売を開始している。そして今回、AWS WAF、Azure WAFに加えて、Google Cloud Armorに対応した「WafCharm for Google Cloud」の提供を開始した。
サイバーセキュリティクラウド 代表取締役CTOの渡辺洋司氏は、サイバーセキュリティを取り巻く環境について、「近年、社会全体のDXが進む中で、サイバー犯罪の被害件数は増加の一途をたどっており、サイバーセキュリティは国家レベルの社会課題に発展している。2020年のサイバー犯罪の摘発数は9875件で過去最多を更新。また、日本では、これまでに推定1400万人が個人情報盗難被害を経験しており、推定400万人が2020年の1年間に個人情報盗難被害に遭っている。さらに、新型コロナウイルスに起因するサイバー攻撃も増大しており、2022年も増加が予想される」と指摘する。
「企業をターゲットにしたサイバー攻撃は年々巧妙化しており、昨今では、企業から個人情報を窃取し、身代金を要求するランサムウェア攻撃が多発している。一方で、日本では、セキュリティ人材が推定19.3万人不足しているといわれ、増加・巧妙化するサイバーセキュリティへの対応が十分ではないのが実情だ。そこで、深刻化するセキュリティ人材不足の解消に対応するサービスとして、当社が提供しているのが『WafCharm』となる。『WafCharm』は、パブリッククラウドで提供されているWAFを自動運用することができ、セキュリティ人材の補充なしに強固なサイバーセキュリティを実現できる」と、「WafCharm」を提供する狙いについて説明した。
今回、新たにリリースする「WafCharm for Google Cloud」では、Google Cloudユーザー向けに提供されているWAFサービスのGoogle Cloud Armorに対応。Google Cloud Armorは、さまざまなWebサイトをサイバー攻撃から保護することができる。また、これにより「WafCharm」は、AWS WAFとAzure WAFを含めて3つのパブリッククラウドに対応したこととなり、世界シェア65%のパブリッククラウドのWAFの自動運用をサポートすることが可能となった。
「Google Cloud ArmorなどのパブリッククラウドのWAFは、導入しやすいというメリットがある一方で、最適なルール作成やチューニングを各自で行わなければならず、セキュリティ専門エンジニアでないと運用が難しいという問題もある。これに対して、『WafCharm』は、Webサイトごとの最適なルール作成や設定を自動で適用するため、ユーザーは手放しで運用できる。また、万一の時のための日本語サポート体制を整えており、セキュリティの専任人材も不要になる。さらに、初期費用0円、月額5000円(税別)からと、手軽に始められる料金体系を実現している」と、「WafCharm」のメリットを強調した。
アイレットと販売代理店契約を締結
また、サイバーセキュリティクラウドでは、「WafCharm for Google Cloud」の拡販展開に向けて、アイレットと販売代理店契約を締結した。これにより、サイバーセキュリティクラウドとアイレットは、Google Cloudに関する知見と実績を共有し、幅広い企業に「WafCharm for Google Cloud」を提供することが可能となる。
アイレット 執行役員の後藤和貴氏は、「当社は、システム・アプリケーションの開発やインフラの構築・運用などをワンストップで提供しており、クラウド事業では、総合支援サービス『cloudpack』を展開している。『cloudpack』は、クラウドの導入や運用を中心に、精鋭のプロ集団が顧客の要望に幅広く対応。これまでに、2300社以上のクラウド導入実績をもっている。また、当社は、Google Cloudパートナープログラムにおいて、Google CloudプレミアServiceパートナーの認定を取得。2021年にはMSP認定も取得している。今回、『WafCharm for Google Cloud』の販売代理店契約を締結したことで、当社を通じてGoogle Cloudを活用する顧客は、同サービスを利用することで、大きな負担を抱えることなくWebセキュリティの対策強化を実現できる。当社では、この契約を機に、サイバーセキュリティクラウドと協力し、日本企業へのクラウドサービス導入をさらに推進していく」と語った。
今後の展開について、サイバーセキュリティクラウドの渡辺氏は、「企業のDX化には、パブリッククラウドへの移行・拡大が必要不可欠となっている。しかし、その一方で、パブリッククラウドには、機能の多さや複雑さによる構築の難しさ、セキュリティリスクが潜んでいる。当社では、今後もパブリッククラウドの構築や運用サポートを得意とする企業との提携・展開を強めていき、セキュリティが担保された『安心安全なDX』をサポートしていく」との考えを示した。