ニュース

Pendoジャパン、SaaSの利活用を定着化するPendoプラットフォームで企業DXを促進へ

マクニカと日本初となる販売代理契約を締結

 米Pendo.ioの日本法人Pendo.io Japan株式会社(以下、Pendoジャパン)は7日、株式会社マクニカ ネットワークス カンパニー(以下、マクニカ)と、日本初となる販売代理契約を締結したことを発表した。これにより、マクニカはPendoのChannel Development Partner(国内1次店)としてエンドユーザーへの販売およびサポート、国内パートナーの開拓・育成を担う。

 同日には、2社合同のオンライン発表会が行われ、Pendoのプロダクト概要や協業の狙い、今後の事業戦略などについて説明した。

写真左から:Pendoジャパン カントリーマネージャーの高山清光氏、マクニカ ネットワークス カンパニー バイスプレジデントの吉井奉之氏

 Pendoは、2013年に米ノースカロライナ州で設立し、「ソフトウェアを使いやすくするソフトウェア」をテーマに、企業の円滑なデジタル製品活用・定着化を推進するデジタルアダプションプラットフォームを提供している。

 プロダクトチームが、ローコード/ノーコードでユーザーのオンボーディングやトレーニングなどを自動化できることに加え、ソフトウェア分析やアプリ内ガイダンス、プロダクト計画、フィードバックツールを組み合わせたソリューションによって、顧客満足度や従業員の生産性の向上を推進しているという。

 日本法人は昨年11月に設立し、初年度は20社への導入、今後6年で100億円の売り上げを目指している。

 Pendoジャパン カントリーマネージャーの高山清光氏は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中で、企業が業務利用しているソフトウェアは、ユーザーの期待に見合っていないのが実状だ。ユーザーは個人向けアプリのような機能性や操作性を期待しており、実際のソフトフェアの使用感のギャップが大きくなっている。当社は、このギャップを埋めるため、高性能なプロダクト定着化プラットフォームを提供している。当社のプラットフォームでは、『Analytics(分析)』、『In-App Guides(アプリ内ガイド)』、『Feedback(フィードバック)』の3つの機能により、ローコード・ノーコードでシステムの活用・定着化の改善を支援する」としている。

Pendoジャパン カントリーマネージャーの高山清光氏

 具体的には、「Analytics(分析)」では、ソフトウェア上のユーザーの行動をすべて計測・分析することで、ユーザーのエンゲージメントを維持し、ソフトウェア全体の付加価値や課題点を洗い出す。

 「In-App Guides(アプリ内ガイド)」では、ユーザーの属性に合わせてガイドラインやメッセージをソフトウェア画面に表示する。適切なガイドを設計することで、社員がソフトウェアを使いこなすまでの時間を短縮し利用を拡大する。

 「Feedback(フィードバック)」では、フィードバックやアンケート機能を利用することでユーザーの要望機能を把握し、優先順位をつけることで、より詳細な情報に基づいた改善策やロードマップの決定が可能となる。

Pendoプラットフォームの機能

マクニカと販売代理契約を締結

 そして今回、Pendoジャパンでは、日本市場でのさらなる成長に向けて、国内初のChannel Development Partner(国内1次店)としてマクニカを迎え、日本市場における「攻めと守りの」企業DXの推進を目指す。マクニカでは今後、Pendoのエンドユーザーへの販売およびサポート、国内パートナーの開拓・育成を担う。また、自社ソフトウェアにPendoの組み込みを検討するソフトウェアメーカーへの開発支援も行う。

 マクニカ ネットワークス カンパニー バイスプレジデントの吉井奉之氏は、「当社は、2013年からコンテンツクラウド『Box』を始めとするSaaS事業を開始し、組織内にカスタマーサクセスを立ち上げ、エンドユーザーに対して自社が展開するサービスの継続的な定着化支援を提供しながら事業を発展させてきた。当社のカスタマーサクセスでは、『顧客体験×実現価値』の最大化を目的としており、SaaS導入後の利用定着化の取り組みによって、導入成功に導いている。今回のPendoとの協業は、このカスタマーサクセスのDX化を推進するもので、日本の顧客にテクノロジーベースのカスタマーサクセスを推進することでさらなるSaaS利用率向上を図っていく」との考えを示した。

マクニカ ネットワークス カンパニー バイスプレジデントの吉井奉之氏

 具体的なビジネスモデルとして、例えばPendoを契約した顧客がBoxを導入する場合、効率的な社内導入が実現できるよう、Boxに適切なガイドラインのテンプレートをマクニカから提供する。また、マクニカが提供するカスタマーサクセスによって、Pendoを利用してBoxの利活用、利用分析を行いながら適切に利用拡大が行えるよう支援する。さらに、Box以外のマクニカ製品や業界のさまざまなSaaS、ソフトウェアのデジタルアダプション支援メニューを、パートナーと一緒に作り上げていく。

マクニカのPendoビジネスモデル

 今回の協業で期待するポイントについて、Pendoジャパンの高山氏は、「マクニカが、各販売代理店に対して行うノウハウの提供に期待している。マクニカは、SaaS販売で優れたノウハウを持っているので、今回の協業を機にマクニカの販売代理店にも、そのノウハウが伝わり、Pendo販売の輪が広がっていくことを楽しみにしている」と述べた。

 マクニカの吉井氏は、「現在、SaaSの導入が急速に進んでいるが、そのスピード感に、ベンダー側もユーザー側もついていけていないと感じている。Pendoは、まさにこの課題を解決するテクノロジーであり、日本市場での認知度をさらに高め、エンドユーザーのSaaS利活用を促進していきたい」と意欲を見せた。