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TIS、会津若松地域の酒蔵と連携した遠隔接客体験の実証実験

 TIS株式会社は17日、豊洲オフィス(東京・江東区)のショールームにて、会津若松地域の酒蔵と連携し、遠隔接客体験の実証事業を7月から11月まで開催していることを発表。その中間結果も公開した。

 TISでは、コロナ禍での移動・観光の規制やプロモーションに課題を持つ地方の生産者に対し、地方創生につながる取り組みとして、遠隔接客・ライブコマース事業の検証を実施している。一方、同社は2019年4月より福島県会津若松市のICTオフィス「AiCT(アイクト)」に会津若松オフィスを設置し、会津若松地域のスマートシティ化につながる活動として、キャッシュレス、ロボティクス、ヘルスケアの3分野で社会課題の解決を目指して活動を続けてきた。

 今回の実証では、AiCTに入居する凸版印刷株式会社、會津アクティベートアソシエーション株式会社(以下、AAA)と連携し、凸版印刷のIoA仮想テレポーテーションを活用して、TISの豊洲オフィスのショールーム「TIS DIGITAL Innovation Center」より、遠隔接客体験の実証を実施している。

 具体的には、横幅3メートルの大型3面モニターに向けて、会津若松地域の酒蔵からのライブ中継を映像配信し、まるで酒蔵にいるかのような、没入感を高めた遠隔体験を実現する。

 実証実験では、大型モニターを介したライブ感のあるインタラクティブな会話による商品紹介により、現地での接客と変わらない体験ができるのか、商品の購入意欲が高まり実際の購買につながるか、会津若松へ行きたくなったかなどを検証。検証結果を踏まえ、地方と都市部をつなぐ遠隔接客・ライブコマース事業の創出を進めるとした。

実証事業イメージ

 なお8月20日時点では、すでに45名が体験している。そのアンケートでは、参加者のうち6割以上が「対面と変わらない体験ができた」、ほぼすべての体験者が「実際に商品を買いたくなった」と評価しているとのこと。

 また、実際に酒造りが行われている会津若松地域の説明を実施していることもあって、「会津に行きたくなった」という意見も多く出ているそうで、商品だけでなく、地域にも興味を持ってもらえていることがわかったとしている。

 一方では、一時的な画質の劣化や音声の乱れが生じることで、コミュニケーションの質の低下に影響があることも確認されており、通信環境や中継する場所・機材などの改善が必要なこともわかったとした。

 今後の実証日程は、10月1日(金)、10月8日(金)、10月15日(金)、10月22日(金)、10月28日(木)、11月5日(金)で、時間は16時~18時(1回あたり30分、4回実施)となる。

体験の様子(左から榮川酒造、名倉山酒造)
体験の様子(鶴乃江酒造)