ニュース

NTTドコモが「将来駅混雑予測技術」を開発、イベント初開催の場所でも終了後の混雑を予測可能

 株式会社NTTドコモは19日、人口分布データを用いて、イベント開催時などの駅混雑状況を高精度に予測する「将来駅混雑予測技術」を開発したと発表した。過去にイベントが開催されたことがあり、過去のデータをもとに人出を推測できる駅の混雑予測だけでなく、初めてイベントが開催される場所でも、イベント終了後の駅混雑状況が予測可能という。

 同技術は、人口分布データの値からイベントに関連する人口のみを抽出する「イベント参加人口抽出技術」、ドコモの携帯電話基地局の運用情報から過去の駅乗降者数を推定する「乗降者数推定技術」、および、最短1時間前までの人口分布データを用いることで高精度な未来の乗降者数の予測をする「リアルタイム乗降者数予測技術」の3つによって構成されている。

 具体的には、過去のイベントにおける駅乗降者数推定情報と、その際の人口分布データや気象データとの関係性をモデル化することにより、直近の人口分布データと、気象データ、イベント日程データから、将来の駅乗降者数を最長90分後まで、10分間隔で予測できるという。

 今回使用した人口分布データは、「モバイル空間統計 国内人口分布統計(リアルタイム版)」によって推計された値で、最短1時間前までの人口分布データを取得できるため、直近の混雑状況の反映を行え、高い精度で混雑を予測可能とした。

 また、初めてイベントが開かれる会場であっても、イベント終了後の混雑は、当日の会場の人口分布データを参考にして予測可能。さらにイベントの日程が2日間以上ある場合、2日目以降の混雑は前日までの混雑情報を自動的に反映させて予測を行えるという。

 なお、将来駅混雑予測技術にて予測された混雑情報は、日本電信電話株式会社(NTT)が開発し、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会が配信するバリアフリールート案内Webアプリ「Japan Walk Guide」にて、7月13日~9月5日の期間で提供されている。この駅混雑情報では、大規模なイベント会場の周辺駅および関連する主要乗換駅の駅乗降者数の予測を棒グラフで表示しており、駅の混雑や密の回避に活用できるとのことだ。