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コニカミノルタ、「自治体DX支援プラットフォーム」を7月提供開始

 コニカミノルタ株式会社は22日、全国地方自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービス「自治体DX支援プラットフォーム」を7月1日に提供開始すると発表した。

 コニカミノルタでは、システム標準化と業務の整流化・標準化をセットで考える重要性に着目し、製造業で培ってきた業務改革(BPR)手法を役立てることで、50以上の自治体と連携しながら、行政の業務の整流化・標準化に応用する手法を開発した。

 自治体DX支援プラットフォームは、業務量や業務手順を「見える化」することにより、「公務員でなければできない業務」と「公務員でなくてもできる業務」の全庁俯瞰視点での分類を行えるようにする。これにより、従来公務員が担っていた業務のうち「公務員でなくてもできる業務」に関しては、RPAやAI-OCR技術などを活用した自動化、アウトソーシングなど、「担い手」の転換を推進する。

 これにより、公務員は「公務員でなければできない業務」に集中できるようになり、過重労働環境から解放されるだけでなく、市民サービスレベル向上につなげられると説明。また、何かが起これば最前線で動かなければならない、地方自治体職員の事業継続プラン(BCP)にもつながるとしている。

 自治体DX支援プラットフォームには、可視化サービス、業務分析サービス、最適化サービス、標準化サービスが用意され、サービスの核となる「DXコックピット」は、インターネットのほか、自治体職員が利用するLGWAN(総合行政ネットワーク)経由で利用できる。

 自治体職員は、既にDXコックピット上に格納されている、自分と同じ業務を行う他自治体の業務フローを参照でき、少しでも効率的な業務遂行モデルをベンチマークできる。プラットフォーム上で展開するこれらのサービスは、いずれも連携50自治体での可視化に基づくデータを元に設計されており、自身の置かれている環境に応じてどのサービスからでも利用を開始できる。

 また、DXコックピットでは、自身の自治体の業務手順書だけでなく、他自治体の業務手順書、法令情報や簿冊(ぼさつ)・マニュアルなどを参照でき、LGWAN環境にアクセス可能な設備環境さえあれば、セキュアな環境下で業務遂行に必要な情報にアクセスできる。これにより、コロナ禍で交代勤務、時差出勤などを実施しても、市民サービスレベルを向上させながらリモートワークが実現でき、ダイバーシティ推進の観点からも必要なインフラになるとしている。

 自治体DX支援プラットフォームは、1パッケージ30アカウント年額90万円(税別)のサブスクリプションライセンスを基本として提供する。コニカミノルタでは、パートナーとの協業により、2021年度100自治体、2023年度までに1000自治体への展開を目指す。また、大規模自治体だけではなく、単独自治体では費用対効果が見合わない中小規模自治体のシステム共同利用モデルについても、積極的に支援していくとしている。