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東京エレクトロン デバイス、製造設備の異常データを自動生成する新たなAI技術を開発

 東京エレクトロン デバイス株式会社(以下、TED)は2日、製造設備の異常検知・故障予測による予知保全の実現に向け、正常時の設備の時系列データから最適な異常検知モデルを自動生成する新たなAI技術を開発したと発表した。

 TEDではこれまで、収集した設備の正常状態と異常状態のデータから、最適な異常検知モデルや故障診断モデルを開発する作業を自動化する、時系列データ自動分析マシン「CX-M」を提供してきた。一方で、製造設備によっては異常データ、故障データを短期的に収集することが難しく、予知保全システムの構築が不完全に終わるという課題が多くあったという。

 新たに開発したAI技術は、設備の正常データから想定される多様な異常データを生成して、最適な異常検知モデルを自動生成するため、異常データの収集にかかる時間をゼロにする。また、これまではデータ分析の専門家が、設備の異常データを長期間にわたって複数回取得し、繰り返し行ってきた異常検知モデルの最適化作業が、開発した技術を用いることで作業時間を大幅に短縮でき、実際に故障が発生するまでは異常検知モデルの効果・精度を検証することができないといった課題を解決できるとしている。

 開発したAI技術は、独自の異常データ自動生成エンジンが、準備した正常な時系列データからデータの分布の偏りを考慮し、設備の周波数、トレンド、スパイク、位相などを想定した多様な異常データを自動生成する。さらに、正常データと生成した異常データを使い、判定モデルの精度が最も良くなる最適な特徴抽出方法、機械学習アルゴリズム、機械学習パラメータの組み合わせを自動探索し、異常検知モデルを作成する。

 異常データ自動生成エンジンは、分布の偏りだけではなく、振幅の自動調整や季節性変動なども考慮した上で、画一的なデータではなく、自然かつ固有のデータを複数生成できる。

 TEDでは今後、開発したAI技術をCX-Mの新たな機能として開発を進めるとともに、実証検証を行っていき、さらに製造業向けソリューションへの展開を進めていくとしている。