ニュース

ISID、構想設計業務支援システム「iQUAVIS」にナレッジ検索オプションを提供

AIが過去の設計データを検索し、最適な情報を提案

 株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は26日、製品開発における構想設計業務を支援するシステムの最新版「iQUAVIS(アイクアビス) Ver.5.0」において、蓄積された過去の設計データからAIが適切な情報を抽出する「ナレッジ検索オプション」を、5月14日より提供開始すると発表した。

 iQUAVISは、自動車や精密機器などの複雑なシステム製品の構想設計段階において、設計のすり合わせが必要な個所を特定し、最適な設計手順を導ける製品開発支援ソリューション。MBSE(モデルベースド・システムズ・エンジニアリング)やQFD(品質機能展開)の推進を支援でき、構想設計段階における設計プロセスの可視化、関係する各種データの一元管理が可能なシステムとして、大手自動車会社等、国内製造業約130社に採用されているという。

 新たに提供される「ナレッジ検索オプション」は、ISIDの文書活用AIソリューション「TexAIntelligence(テクサインテリジェンス)」の自然言語処理AIを活用したオプション製品で、AIがiQUAVISに蓄積された過去の設計データをあらかじめ学習し、新たに設計検討などを実施する際に、関連性の高い設計データを入力候補としてユーザーに提案してくれる。

 これにより、従来のあいまい検索技術では実現できなかった、設計者間の表記ゆれや文章の意味、文脈を考慮し、高度な設計提案を実現するとのこと。ISIDでは、過去に設計を行ったベテラン設計者の知見を見つけ出し、活用することで、効率的な設計検討や設計考慮漏れ防止などの設計品質の向上が期待できるとアピールしている。

 なお具体的な活用例としては、FMEA(故障モード影響解析)への適用を挙げた。不具合の未然防止を目的にFMEAを実施する際、設計者は自らの知識や経験、調査結果などに基づき、部品や機能ごとに故障モードや要因、対策を検討するが、ベテラン設計者が、これまでの経験や勘をもとに対応を検討できるのに対し、経験の浅い設計者では、同レベルでの検討は困難だ。

 しかし「ナレッジ検索オプション」を利用すると、設計対象の部品や機能と類似する過去データを検索し、類似度が高い順にその故障モードや要因、対策を設計候補として一覧表示してくれるため、最も適した内容を設計書に反映可能になるとしている。

FMEAにおけるナレッジ検索のイメージ