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日立ソリューションズ、建災防の労働災害事例を活用した建設業向け「労働安全衛生管理サービス」を提供

 株式会社日立ソリューションズは23日、建設現場のリスクアセスメントと危険予知訓練における安全衛生の質向上を支援する、建設業向けの「労働安全衛生管理サービス」を3月29日に提供開始すると発表した。サービスは初期導入費+現場単位の月額利用料で、詳細は要問い合わせ。

 労働安全衛生管理サービスは、安全衛生管理部門が現場に対し推進している建設現場のリスクアセスメントと危険予知訓練の質向上を支援するサービス。導入企業の災害事例に加え、建設業労働災害防止協会(以下、建災防)がまとめている労働災害事例をクラウド上のデータベースから活用できるようにする。

労働安全衛生管理サービスの画面イメージ

 紙やPDFなどで分散して管理されていた自社の災害事例をクラウド上のデータベースに集約することで、ノウハウをさまざまな現場で活用しやすくするとともに、建災防の労働災害事例もデータベースで参照できるようにすることで、他社の災害事例から新たな気付きを得られるようにし、建設現場のリーダーによる安全教育の質向上や、作業員の危険感受性の向上を支援する。

 工事や作業の種類だけでなく、災害の起因物となる使用機材や天候などで検索すると、過去にどのような災害が発生しているか、分類ごとに該当する件数が表示され、事例を閲覧できる。実施予定の工事や作業に関連する災害事例を基に、危険性や有害性を示しやすくなるため、リスク対策の見落としを防ぎ、効率的かつ質の高いリスクアセスメントを支援する。

 建設現場のリーダーは、日々の危険予知訓練において、スマートフォンやタブレット端末から簡単操作で当日の作業に関連する事例を閲覧できる。検索条件である工種、起因物、事故の型を選択肢の中から選択でき、スマートフォンでの操作も容易に行える。現場の状況に即してピンポイントで検索したい場合には、キーワード入力による検索も可能で、作業現場で何が危険か、どういった状況だと危険な状態になるかといった適切な注意喚起を作業員に与えられる。

 サービスは、建設会社の足場組立などの現場で実証実験を行い、災害事例の拡充や現場でも使いやすい操作画面をサービスに反映することで、危険感受性向上の効果を確認しているという。

 日立ソリューションズでは、労働安全衛生のPDCAの運用を支援する「労働安全衛生マネジメント支援ソリューション」のラインアップに、今回のPlan(リスクアセスメント)、 Do(危険予知訓練)を支援するクラウドサービスを追加したと説明。今後は、Check、Actionを支援する安全対策支援などの拡充により、さらなる安全衛生活動の質向上や効率化、コンプライアンスの強化を支援するソリューションを提供していくとしている。