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レノボ、AMDの第3世代EPYCプロセッサ搭載サーバーとHCIを発表 さまざまな分野での処理高速化を支援

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社(以下、レノボ)は19日、AMDの最新CPU「AMD EPYC 7003シリーズ(第3世代EPYC)」を搭載したx86サーバー「ThinkSystem」とハイパーコンバージドインフラ(HCI)「ThinkAgile」の新モデルを発表した。

 x86サーバーのLenovo ThinkSystemとしては、2ソケットの新モデル「SR645」「SR665」の2つと、1ソケットの新モデル「SR635」「SR655」の2つを提供する。各製品とも、16コアで前世代と比べて最大25%のパフォーマンス向上を達成した新CPUのAMD EPYC 7003シリーズを搭載でき、レノボでは、信頼性とパフォーマンスの強化により、エッジからクラウドまでのインフラを構築する企業にとって理想的な組み合わせになるとアピールしている。

SR665

 また、これらの新型プラットフォームは、研究開発、金融サービス、小売、製造などの分野に向くとしており、HPCやAIなど、高い演算能力が求められるワークロードを実行する場合、最高性能のAMD EPYC 7003シリーズを通じ、前世代比で演算結果(浮動小数点)を最大15%高速化できるという。さらに、科学研究やエンジニアリングでアプリケーションを実行する企業は、48~64コアのAMD EPYC 7003シリーズを用いると、最大15%のパフォーマンス向上を期待できるとのことだ。

 一方、HCIのThinkAgileでもAMD EPYC 7003シリーズ搭載モデルが発表された。VMware vSANと連携した「ThinkAgile VXシリーズ」では、VDIやAIのワークロードなど、高演算負荷アプリケーション向けの製品として、最大8個のNVIDIA GPUをサポート可能な「VX3575-G」、ストレージ密度の高い2Uソリューションで、メール管理、データ、アナリティクスなどの高速/大容量が求められるストレージアプリケーションに対応した「VX5575」、アナリティクスやデータベースなど、高性能ワークロードに最適化された2U製品「VX7575」「VX7576」が用意された。いずれも2021年第2四半期中の提供開始を予定する。

 またNutanixベースの「ThinkAgile HXシリーズ」では、「HX3375」「HX3376」が提供される。こちらは、2021年第3四半期中の提供開始を予定するとのことだ。

 なお、欧州のクラウドサービス事業者であるHetzner Online GmbHが、AMD EPYC搭載LenovoサーバーであるSR635/SR645を採用し、自社のクラウドインフラを増強したことも発表された。ThinkSystemの採用により、Hetzner Onlineのパフォーマンスは最大100%向上し、同時に、データセンターのエネルギーコストについても、他のCPUベンダーとの比較で35~50%削減されるとしている。