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日商エレがポーランドNethoneと協業、カード詐欺やなりすましを見抜く新サービスを提供

 日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)とポーランドNethone.sp(ネットホン 以下、Nethone)は4日、キー操作など利用者の癖からクレジットカード詐欺やなりすましを見抜くセキュリティサービスを、同日より日本市場向けに提供開始すると発表した。

 通常、クレジットカード詐欺対策では、カード決済情報や加盟店での取引情報を分析してリスク判定をしており、近年ではユーザーのデバイス情報も取得して、さらに精度を高めているという。

 一方、Nethoneの独自技術「Know Your Users(KYU)テクノロジー」を用いたクレジットカード不正検知サービスでは、デバイス情報に加え、ネットワークインテリジェンス情報など、5000ポイント以上のデータを取得し、AIによる機械学習や行動的生体AI認証技術でリスク判定を行いことにより、精度を向上させているとのこと。また、こうした判定はWebサイトのバックグラウンドで稼働するため、ユーザーに気づかれることなく判定を行っているとした。

 今回、日商エレでは、自社の不正検知サービスブランド「Tranfis」の1メニュー「Tranfis powered by Nethone」として、同社の技術を利用したクレジットカード不正検知サービスと、アカウント乗っ取り対策(Account Take Over Protection:ATO)サービスをラインアップ。主に、ECサイト事業者や、特にクレジットカード被害が多いゲーム・旅行業界に向けて提供を開始する。

 このうちATOサービスについては、従来は、L4・HTTPプロトコルレイヤでの振る舞いを基に不正者を判定していたが、新サービスでは、デバイスやネットワーク、そして行動的生体AI認証で個人を特定し、総合的に判断を行うとのこと。

 通常、セキュリティレベルを向上させるためには、FIDO認証をはじめとする多要素認証が採用されているものの、セキュリティ向上と引き換えにユーザーの利便性は悪くなってしまう。これに対して「KYUテクノロジー」を活用したFIDO認証は、ユーザーの利便性を損なうことなく、セキュリティを強化できるとしている。

ATOサービスの動作イメージ

 なお日商エレは、Nethoneの「KYUテクノロジー」で蓄積されたデータやプロファイラ情報を活用し、日本だけでなくアジアのEC事業者向けにカスタマーエクスペリエンス向上、エンゲージメント強化、コンバージョン率の向上を目的としたサービスを展開する予定。両社は、「Tranfis powered by Nethone」について、2021年度に2億円の売上を目標としている。