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日本IBM、国内SIer/ISVのコンテナ利用拡大を目指す「コンテナ共創センター」を立ち上げ

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は1日、国内SIerおよびISV(独立系ソフトウェアベンダー)のソリューションやソフトウェアにおけるコンテナ利用拡大を目的とした、「コンテナ共創センター(仮称)」を4月1日に立ち上げると発表した。

 「コンテナ共創センター」は、国内SIerとISVを対象に、日本IBMによるコンテナ利用拡大のためのエコシステムとして、SIer、ISVとテクノロジーベンダーの共創を促進する。主な活動内容として、日本IBMおよび参加企業の技術アドバイザーによるコンテナ開発に向けた技術アドバイスと、検証用のコンテナ基盤の無償提供を行う。

 加えて、コンテナ技術を基礎から学べるオープンな勉強会をコミュニティ主導で開催し、最新のクラウドネイティブ技術に関する情報や企業におけるコンテナ活用事例を共有する。

 日本IBMでは、日本企業がデジタルトランスフォーメーションを推進する上で、クラウドネイティブ技術の中核となるコンテナの利用拡大は必要不可欠であり、クラウドネイティブ時代における技術者の育成や確保といった、SIerやISVが抱える課題に対する解決策が必要だと説明。

 一方、企業にソリューションやソフトウェアを提供するSIerやISVでは、一部のパブリッククラウド利用を除いては、従前のハイパーバイザー型の仮想化技術が採用されることが多く、コンテナ型の仮想化技術の採用が十分に進んでいないのが現状だとして、エンタープライズ領域を対象としたベンダーロックインのない、オープンな技術に根ざしたコンテナの利用拡大と、クラウドネイティブ技術に精通した技術者育成の仕組みが求められているとしている。

 IBMでは、エンタープライズ向けのコンテナ基盤として「Red Hat OpenShift」を提供しており、パブリッククラウドではマネージドサービスである「Red Hat OpenShift on IBM Cloud」と、アップストリーム版Kubernetesによる「IBM Cloud Kubernetes Service」を、分散クラウドとしては、オンプレミスやエッジ環境、他社クラウドでも実行可能なコンテナ基盤として「IBM Cloud Satellite」を提供している。コンテナ対応が完了したSIer、ISVのソリューションやソフトウェアは、日本IBMのWebサイトを通じて紹介する予定。

 日本IBMは、「コンテナ共創センター」を起点に、SIerおよびISVが提供するソリューションやソフトウェアのコンテナ共創の場を提供しながら、コンテナ利用拡大に向けたエコシステム構築を目指す。コンテナの利用拡大により、SIerおよびISVの開発生産性、運用保守性、スケーラビリティの向上、クラウドネイティブ時代の技術者の育成を促進することで、日本企業のさらなるデジタルトランスフォーメーションの加速に貢献するとしている。