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2020年の国内ITサービス市場は前年比2.8%減、新型コロナの影響を受けるも2021年以降はプラス成長に~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は22日、国内ITサービス市場の予測を発表した。国内ITサービス市場は、2020年に新型コロナウイルスの影響を受けたものの、2021年以降はプラス成長に回帰し、2025年の市場規模は6兆4110億円になる見通しと予測している。

 2020年の国内ITサービス市場は、前年比2.8%減の5兆6834億円と推計。2020年は、2019年の成長要因となった、Windows 7のサポート終了や消費増税に伴うシステム刷新、元号改正対応、消費税率変更対応など、複数の特需の反動減があった。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、商談の停滞や新規プロジェクトの先送り、進行中のプロジェクトの中断や進捗の遅れ、顧客常駐型サービスや自社センター型サービスにおける稼働率の低下や作業の遅延、サプライチェーンの混乱による機器の納品遅延などが生じたことで、マイナス成長となったと分析している。

 ただし、2020年後半から、ITサービス事業者の受注状況は回復傾向にあり、2020年前半に延伸されたプロジェクトも徐々に再開しているため、2021年は、プロジェクトベース市場を中心にV字回復となり、プラス成長に回帰すると予測。2022年以降、徐々に成長率は鈍化するものの、レガシーシステムの刷新/更新需要、企業によるDX(デジタルトランスフォーメーション)投資の本格化が同市場の成長を支え、2020年~2025年の年間平均成長率は2.4%で推移すると予測している。

 COVID-19の影響による人々の生活様式や働き方の急速な変化に対応するため、企業がDXに本格的に取り組む姿勢は強まっており、こうした変化に迅速に対応するため、企業がITサプライヤーを選択する際の基準として、スピードの重要性はこれまで以上に高まっていると指摘。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの木村聡宏氏は、「2020年は、COVID-19がもたらした変化への対応スピードが問われた年であった。ITサービス事業者は、経営層から現場まで、全社を挙げてスピードの向上に取り組むべきである」と述べている。

国内ITサービス市場 支出額予測:2020年~2025年(出典:IDC Japan)