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2021年の国内ITサービス市場規模は前年比3.4%増の5兆8808億円、前年からの回復が進む~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は5日、国内ITサービス市場予測を発表した。2021年の国内ITサービス市場は、一部で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の継続と世界的な半導体/部材の供給不足の影響があったものの、全体としてはマイナス成長となった前年からの回復が進み、市場規模は前年比3.4%増の5兆8808億円になったと推計している。

 国内ITサービス市場は、2021年1月以降、三度にわたる緊急事態宣言が発令された影響はあったものの、業務のオンライン化とリモートワークへの移行が進んだことで、COVID-19の感染拡大が企業のITサービス支出抑制に直接的に及ぼす影響は縮小したと分析。

 2022年については、COVID-19の影響を受けた中堅中小企業のITサービス支出の回復の遅れ、半導体/部材の不足による製品付帯サービスへの影響などの下振れリスクがあるものの、市場全体としては、堅調に成長する見込みで、2021年~2026年の年間平均成長率は2.8%で推移し、2026年の市場規模は6兆7667億円になると予測している。

 企業のデジタル変革をITとビジネスの両面から支援できるデジタル人材の不足は、ITサービス事業者の成長を阻害する要因として顕在化していると指摘。IDC Japan株式会社 ITサービスのリサーチマネージャーである木村聡宏氏は、「ITサービス事業者は、シニア人材のクロススキリングなど、現場に根付いた人材戦略を展開し、デジタル人材の育成と確保を図るべきである」と述べている。

国内ITサービス市場 支出額予測:2021年~2026年(出典:IDC Japan)