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2019年の国内ITサービス市場、既存システム刷新や元号改正、税率変更などの特需で前年比3.2%増の5兆8558億円

 IDC Japan株式会社は17日、国内ITサービス市場予測を発表した。同市場は2020年以降も堅調な成長を継続し、2024年には6兆4262億円規模になると予測している。

 2019年の国内ITサービス市場は、前年比3.2%増の5兆8558億円と推計。2016年から2018年にかけては、前年比1%台から2%台前半の低成長となっていたが、2019年に入ると既存システムの刷新/更新需要の拡大に加えて、消費増税前の駆け込み、Windows 7のサポート終了に伴う買い替え、元号改正対応、消費税率変更対応などの特需があったことで、4年ぶりに3%台の水準に成長率が上昇したとしている。

 2020年は、2019年の特需の反動減となるため、国内ITサービス市場の成長率は鈍化するものの、老朽化したレガシーシステムの刷新やクラウド環境への移行、ITを活用した働き方改革や業務プロセス効率化の需要が、2020年以降の同市場の成長を支えると分析。2019年~2024年の年間平均成長率は1.9%で推移すると予測している。

 IDC Japanでは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するためのデジタル人材の育成と獲得、市場価値に基づく報酬制度の導入など、人材戦略を強化するITサービス事業者の取り組みが加速しており、ITサービス事業者にとっては、従業員との接点をあらゆる角度から見直し、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高めることが重要になっていると指摘。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの木村聡宏氏は、「DXを推進するうえで、人材戦略の強化は不可欠であり、ITサービス事業者は、従業員体験の向上に取り組むべきである」と述べている。

国内ITサービス市場 支出額予測:2019年~2024年