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富士通、ポルトガルのスーパーコンピュータシステムを受注

 富士通株式会社の子会社Fujitsu Technology Solutionsは11日、EUとポルトガル政府による、学界・産業界の研究者に世界レベルの研究能力をもたらすイニシアティブの一環として、EuroHPC共同事業(以下、EuroHPC)およびポルトガル政府科学技術機構(以下、FCT)の資金拠出により、10ペタフロップス(PFLOPS)のスーパーコンピュータシステムを2000万ユーロで受注したと発表した。

 スーパーコンピュータシステムは、ポルトガルの「Minho Advanced Computing Center(MACC)」に設置され、ポルトガルや欧州の学術機関や産業分野などのユーザーに向けて、2022年初頭より運用が開始される予定。

 システムは、医療やバイオエンジニアリング、気象予報、気候変動、新材料や新薬の発見など、公共および産業界における先進的な科学研究を支援するほか、AI(人工知能)やビッグデータ活用の分野にも貢献し、ポルトガルや欧州全体のデジタル化において重要な役割を果たすことになるとしている。

 受注したスーパーコンピュータシステムは、国立研究開発法人理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピュータ「富岳」にも使用されているプロセッサー「FUJITSU Processor A64FX(以下、A64FX)」を搭載した、富士通製スーパーコンピュータ 「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX700」1632台などで構成される。A64FXは、高性能サーバー向けの命令セットアーキテクチャ「Armv8.2-A Scalable Vector Extension」に準拠し、優れたエネルギー効率を実現する。

 富士通では、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の技術知見やノウハウ、活用に向けた専門性の高いコンサルティングサービスやサポートサービスを有しており、さらにHPCの活用において重要となる仏Atos SEなどのサプライヤーとの協力関係を確立していることから、EuroHPCとFCTに選定されたと説明。富士通および株式会社富士通研究所のHPC事業における経験を生かし、スーパーコンピュータシステムの構築を行うとしている。