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ジャックスがデータ活用基盤をOracle Exadataで刷新、10億件のデータ抽出を半日から数分へ短縮

 株式会社アシストは17日、株式会社ジャックスが、データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine」(以下、Oracle Exadata)を導入したと発表した。ジャックスでは、顧客ニーズに即応したマーケティング活動を実施するためのデータ活用基盤として利用しているという。

 ジャックスでは、従来から、顧客ニーズに添ったマーケティング施策を実施するため、顧客情報が含まれる情報系データベースへの投資が重要と考え、2012年にはデータ分析に特化したアプライアンス製品を導入している。

 導入当初、このデータ活用基盤は20名ほどの利用者だったものの、マーケティングや営業部門を含む約300名の利用者に展開されるようになっていたほか、情報をアドホックに検索・加工するオンライン処理が主流で、クレジットカード顧客の情報を抽出するようなバッチ処理も並行稼働していたとのこと。そして、データ量の急増とさらなるユーザー数拡大に伴い、徐々にデータ活用基盤の性能が低下し、リソース増強やチューニングでは立ち行かない状況に陥ってしまったという。

 そこでジャックスでは、データ活用基盤の抜本的な刷新を決断。アシストから複数提案があった中で、「システムの安定運用実績」「国内での高い導入実績」「自社で利用していたBIツールとの親和性」を評価して、Oracle Exadataの採用を決めた。2020年1月から、既存環境と並行稼働させながらデータ精査などを行い、3月にOracle Exadataへの切り替えを完了している。

 アシストでは、設計から構築までOracle Exadataの最適化を実施しており、パフォーマンステストでは日本オラクルとともに性能を最大化する取り組みを実施した。この結果、切り替えから10カ月経過した現在、従来のアプライアンス製品では10億件以上の抽出処理に半日かかっていたのに対して、Oracle Exadataでは数分で完了するようになったという。

 また、4億件のデータのテーブル結合および検索を行うオンライン処理時間は、3分の1に短縮。10本のバッチ処理も1時間以内で完了するようになったため、40~50本実行しても問題ないぐらい、性能に余裕があるとしている。

 さらにOracle Exadataへの切り替えにより、これまでデータ活用基盤の運用に大幅な工数を割いてきた情報システム部門の業務も改善され、運用からデータ活用に関する施策検討やユーザー部門とのコミュニケーション強化へとシフトできるようになった。加えて、データ活用基盤の利用者数も、計画に従って2~3倍に拡大できているとのことだ。