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NTTデータ、街の動きを地図上に可視化するリアルタイム人口データの配信サービスを開始

 株式会社NTTデータは15日、多様な位置情報コンテンツのビジネス活用を可能にするクラウドサービス「BizXaaS MaP」で、「モバイル空間統計人口分布統計(リアルタイム版)」を日本全国1時間のリードタイムで配信するサービスの提供を開始した。

 サービスは、コロナ禍で変動する人々の動きと属性情報(性・年代・居住地)を、リアルタイムの人口データとして、BizXaaS MaPの配信基盤を通して提供する。これにより、1時間前の街の動きをシステム上で視覚的に確認でき、多様な位置情報コンテンツとの重ね合わせや、既存システムとの連携により、高精度な需要・来客予測の実現を可能にする。

 これまで、データの表示には1カ月程度のリードタイムがあった人口データを、1時間のリードタイムで配信し、リアルタイムの人口分布や属性情報を500mメッシュ単位で把握できる。属性情報も確認できるため、いつ・どこに・どのような人が・どこから来ているかを把握できる。さらに、地図上で指定した範囲の人口データを集計・分析できる機能などを、API連携により柔軟に既存システムへ追加できる。

 これにより、たとえば小売・流通企業では、従来は過去の売上・来客数と統計データを基にしていた需要・来客数予測を、リアルタイムの店舗周辺データを用いることで、人々の行動変容による人口変動を即座に捉え、発注・在庫管理・シフト管理の精度向上を実現する。

 また、飲食店では、リアルタイムの街の人出を把握することで、仕込み量の調整や、閉店間際の割引率の最適化が可能となり、廃棄食材の削減が可能。製造業・卸売業では、街の人出状況をリアルタイムに把握することで、生産量・流通量の最適化を実現する。

 自治体や公共交通機関、イベントなどの用途においても、リアルタイム人口データと利用者数などのデータを組み合わせて表示することで、感染予防に配慮した情報公開に活用できる。

 NTTデータでは今後、地理情報や気象データなどと組み合わせることで、サービスの拡充も進め、新しい社会に適応した仕組みづくりを目指すと説明。顧客業務の変化を支援することで、2024年までに累計10億円の売り上げを目指すとしている。