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NEC、デスクトップ型ファクトリコンピュータの新製品を発売

IoTシステムに求められるストレージ機能を強化

 日本電気株式会社(以下、NEC)は25日、5年間の長期供給と、供給終了から最大10年間の長期保守を行うデスクトップ型ファクトリコンピュータの新製品3機種「S36W」「S37K」「D28U」を発売した。

 NECでは、交通、電力、防災などの大規模な社会インフラシステムの整備や、工場や生産現場の自動化、工程の見える化などIoTシステムの導入が進められており、これらのシステム構築には、大容量データを高速処理し、24時間連続で安定稼働が可能な高性能な産業用コンピュータが必要とされていると説明。

 新製品はこうした需要に対し、従来機の筐体サイズを変えずにストレージ機能および拡張性を強化し、最大4台のHDDまたはSSDの搭載を可能とした。ディスクの種類についても、従来の500GB HDDに加え、大容量の2TB HDDや100GB/500GB SSDが選択可能。多様なRAID構成(RAID 0/1/5/6/10)やホットスペアにも対応し、重要なデータを安全に管理できるとともに、画像情報などの大容量データの蓄積を可能とした。

 拡張性については、フルサイズの拡張ボードを最大7枚搭載でき、社会インフラシステムや工場内工程監視システムで使用されるカメラや計測器など各種業務機器との接続を可能とした。また、グラフィックボードなど補助電源を必要とする拡張ボードの搭載も可能で、画像データや大量の映像データの高速・高精度な処理を実現する。

 データ処理性能も向上し、CPUについてはS36WはXeon E3-1275 v5、S37KはCore i3-6100、D28UはCeleron G3900をそれぞれ搭載。上位機種のS36Wでは処理性能を従来比で約1.2倍向上した。また、新たに10GBASE-TのLANボードを追加可能とし、大容量データの高速通信を実現する。

 耐環境性(動作温度5~45℃、耐振動、耐ノイズなど)や、高信頼設計(長期供給部材の選定など)は継承し、現場における過酷な利用条件下でも安定稼働を実現。さらに、5年間の長期供給と、供給終了から最大10年間の長期保守を提供し、長期安定運用にも貢献する。

 製品の価格(税別)は、標準構成(メモリ4GB、SATA HDD 500GB×2ミラーリング、DVD-ROM、Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB)の場合で、S36Wが65万8000円から、S37Kが57万8000円から、D28Uが54万5000円から。NECでは、今後5年間で50億円以上の販売を目標とする。

ファクトリコンピュータ「S36W」