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ISR、クラウド認証サービス「CloudGate UNO」全プランでのパスワードレス認証を標準提供
日本におけるパスワードレス認証のスタンダード化を加速
2020年11月18日 06:00
株式会社インターナショナルシステムリサーチ(以下、ISR)は17日、法人向けクラウド認証サービス「CloudGate UNO」のすべてのプランで、12月21日からパスワードレス認証を標準提供すると発表した。この発表に合わせ、同社のパスワードレス認証の取り組み状況や今後の事業戦略について、記者説明会を開催した。
ISRが提供する「CloudGate UNO」は、クラウドサービスを「より安全に・より便利に」をコンセプトに、IPアドレス制限や時間別・国別アクセス制限などのセキュリティポリシーに合わせた柔軟なアクセスコントロールとシングルサインオン(SSO)を同時に実現するクラウド認証サービス。また、FIDO2(Web認証)を利用したパスワードレス認証や生体認証、端末認証などのより強固な認証機能でセキュリティを高めることができる。今年3月末時点の導入実績は、1600社80万ユーザーに達している。
ISR 社長室 グループリーダーの能村允沙予氏は、「当社は、『CloudGate UNO』を通じて、パスワードレス認証の普及拡大を推進している。この背景には、従来のパスワード認証は『セキュリティ』と『ユーザーの使いにくさ』という2つの大きな課題を抱えていることが挙げられる」と、パスワード認証の課題について指摘する。
「この課題に対して、『CloudGate UNO』では、昨年5月からFIDO2に対応したパスワードレス認証を提供している。また、iOS14のアップデートによってFIDO2に対応したTouch IDやFace IDを利用したパスワードレス認証を12月19日から提供開始する。そして今回、パスワードレス認証のスタンダード化に向けて、誰もがパスワードレス認証を利用できるよう、12月21日から『CloudGate UNO』のすべてのプランでパスワードレス認証を無償提供する」と、全プランでパスワードレス認証を標準提供する狙いを説明した。
これにより、現在パスワードレス認証のオプションが付帯されていないスタンダードプラン、エンタープライズプランを利用中の顧客は、価格を気にすることなく現プランのままパスワードレス認証を無料で利用することが可能となる。
また、これから「CloudGate UNO」の利用を検討している場合は、「CloudGate UNO」が連携する140以上の企業向けクラウドサービスがパスワードレス認証に対応していなくても、安全で利便性の高い認証としてパスワードレスログインを利用できるようになるという。
ISR 代表取締役社長のメンデス・ラウル氏は、パスワードレス認証を取り巻く市場環境について、「日本では現在、“認証維新”が起こりつつあり、“パスワード幕末時代”に入ったと考えている。ユーザーは、パスワードを覚えなければいけない認証から、ICチップ搭載のカードやセキュリティキー、指紋、顔など、安全でありながら利便性の高い認証へとシフトし始めている」と、パスワードレス認証へ向かう流れが加速していると強調する。
「当社では、日本での“認証維新”をさらに推進するべく、まず第1ステップとして、iOS14/iPad14デバイスからの認証をサポートし、FIDO2対応の全デバイス(Windows、Mac、iOS、Android)からの認証を『CloudGate UNO』でサポートする。そして、第2ステップとして、12月12日からWindows 10、Mac11、iOS14/iPad14デバイスでパスワードレス認証をすべてのユーザーに無料で提供する。さらに、第3ステップとして、パートナーと共同でパスワードレス導入支援プログラムを提供し、ユーザーのパスワードレス運用体制の構築をサポートしていく。2023年度には、現在の80万ユーザーを160万ユーザーへと拡大し、そのうちパスワードレス認証利用ユーザー数80万人の確保を目指す」と、「CloudGate UNO」によるパスワードレス認証の普及拡大に向けた戦略ロードマップを明らかにした。
なお、「CloudGate UNO」では、来年以降に提供する新機能として、1月に「スマートフォンによる緊急対応管理画面」、2月に「ゼロトラスト型シングルサインオンのアクセスコントロール機能」のリリースを予定している。