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ISRのSSOサービス「CloudGate UNO」、“FIDO2”のパスワードレス認証に対応
2019年5月22日 11:32
株式会社インターナショナルシステムリサーチ(ISR)は、クラウド型認証サービス「CloudGate UNO」において、“FIDO2”に対応したパスワードレス認証サービスを5月21日に提供開始した。
CloudGate UNOは、クラウド上で動作するシングルサインオン(SSO)サービス。CloudGate UNOにログインすることで、G SuiteやOffice 365などSAML(Security Assertion Markup Language、SSOの規格)に対応した複数ベンダーのクラウドサービスを利用できる。これによってエンドユーザーは、複数サービスそれぞれにログインする手間が省けるほか、企業のシステム管理者にとっても、IPアドレスやデバイスなどによるアクセスコントロールを実現できるという。
新サービスでは、このCloudGate UNOとユーザーの間の認証を、FIDO2によるパスワードレス認証に対応する。「エンドツーエンドでより安全になる」と、同社の代表取締役社長のメンデス・ラウル氏は説明した。
FIDO2はFIDO(ファイド:Fast IDentity Online)アライアンスが策定した認証仕様。W3Cの定めたWebAuthn(Webブラウザで認証するための仕様)と、FIDOの定めたCTAP2(認証デバイスと通信するプロトコル)からなる。
ローカル側と認証サーバーがそれぞれ秘密鍵と公開鍵を持っておき、認証デバイスで本人確認できれば、ローカルと認証サーバーの間で認証が実行される。そのため、指紋認証などの情報がローカルで完結しネットワークに流れないため堅牢性が高いという。
CloudGate UNOのパスワードレス認証では、FIDO2対応の認証デバイスをユーザーが用意して使えるほか、指紋認証のセキュリティキーを含んだプランも用意される。
CloudGate UNOにはこれまで、Basic、Standard、Enterpriseの3つのプランが用意されてきた。今回発表されたパスワードレス認証対応サービスは、Enterprise(1ユーザー月額300円)の上位のプランとなり、セキュリティキーを含まない「Enterprise Plus」(1ユーザー月額500円)と、セキュリティキー2つを含む「Premium」(1ユーザー月額1000円)の2種類がある(価格は税別)。
Active Directory(AD)連携にも対応する。従来はADでパスワード認証してから各サービスに接続していたが、パスワードレス認証ではADとCloudGate UNO、各サービスのでアカウントを同期し、認証は各サービスとCloudGate UNO(およびローカル)で完結するという。
パスワードレス認証は4月からトライアルプログラムが実施され、今回正式サービスとなった。これについて、「毎日のようにパスワードについての問い合わせがあり、業務を逼迫(ひっぱく)させているので、パスワード管理がなくなるのは助かる」「パスワードレス認証はいわゆるITリテラシーの低いユーザーこそ利用すべき」といったユーザーの声が紹介された。
なお、同日に開催された記者発表会には、トークンベンダーのYubicoおよびeWBM Co.,Ltd.や、パートナー企業の株式会社電算システムも登場していた。