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ISR、クラウド認証「CloudGate UNO」のゼロトラストモデルを提供開始

ゼロトラストMFA・SSO導入を支援する新サービスもリリース

 株式会社インターナショナルシステムリサーチ(以下、ISR)は1日、法人向けクラウド認証サービス「CloudGate UNO」に、ゼロトラストアーキテクチャを7月5日から採用すると発表した。

 また、ゼロトラストMFA(多要素認証)の導入支援、ゼロトラストSSO(シングルサインオン)のプロファイル設定の支援からサイバーセキュリティ強化まで幅広いサポートを提供する「CloudGate Premium Support」も同時にリリースする。

 7月1日に行われた事業戦略発表会では、「CloudGate UNO」のゼロトラストモデルをリリースする背景や新機能の概要、および新たに提供開始するサポートサービス「CloudGate Premium Support」について説明した。

写真左から:USEN SmartWorks 代表取締役社長の大下幸一郎氏、ISR ビジネスデベロップメント部の高田善博氏、ISR プロダクトマネジメント部 部長の柴田一人氏、ISR 代表取締役社長のメンデス・ラウル氏、電算システム クラウドインテグレーション事業部 クラウドソリューション部 部長の北村友史氏、Yubico ヴァイスプレジデントセールスの大友淳一氏、ISR ビジネスデベロップメント部 部長の愼麻由美氏

 「CloudGate UNO」は、柔軟なアクセス制限と強固な認証で安全性と利便性を両立させたアイデンティティ管理プラットフォーム。今回、ゼロトラストアーキテクチャを採用した狙いについて、ISR 代表取締役社長のメンデス・ラウル氏は、「新型コロナウイルスの感染拡大にともない、多くの企業が全面的にリモートワークを導入している。しかし、レガシーVPNサーバーによるリモートアクセス認証はパスワードだけに頼ることが多く、これがサイバー攻撃の入り口となってしまった。また、ランサムウェア攻撃自体も激化しており、米国ではバイデン政権が大統領令を発令し、政府機関のシステム内やソフトウェアベンダーに対してゼロトラストアーキテクチャの導入を要請している。こうした状況を踏まえ、日本においてもサイバー攻撃に備えた防御力強化を図るべく、2年間かけて開発した『CloudGate UNO』のゼロトラストモデルを提供開始する」と述べた。

ISR 代表取締役社長のメンデス・ラウル氏

 また、同時にリリースする「CloudGate Premium Support」については、「『CloudGate UNO』を利用する企業に向けて、オンデマンドサポートや認証セキュリティのコンサルティング、ログ分析レポートなど幅広いサポートを提供することで、ゼロトラストMFAおよびゼロトラストSSOの導入を支援していく。これにより、パスワード認証に頼る企業文化を変革し、当社の掲げる『認証維新』を加速させていく」との考えを示した。

 ゼロトラストアーキテクチャを採用した「CloudGate UNO」の特徴としては、パスワードのみの認証から、デバイス上で生体情報を利用したMFAでユーザーを確認するゼロトラストMFAへと認証を強化。また、リモートアクセスについても、パスワード認証のみのVPNから、MFAを必須とし、ゼロトラストに対応したVPNに移行することができる。さらに、アプリケーション間のSSOをゼロトラストモデルに変更することで、企業の重要な情報資産をサイバー攻撃の脅威から守る。

ゼロトラストアーキテクチャを採用した「CloudGate UNO」

 ISR プロダクトマネジメント部 部長の柴田一人氏は、「今までの『CloudGate UNO』のSSOでは、最初のアクセスコントロールのゲートを通れば、どのサービスにも自由にアクセスすることができた。これに対して、ゼロトラストモデルのSSOでは、サービスごとにアクセスルールを設定し、それぞれチェックする仕組みに変更した。あわせて、各認証ごとに認証状態保持期間を設けることでSSOの利便性を確保した。また、ユーザー認証の決定方法についても、『パスワード』『MFA』『パスワードレス』の3方式を用意し、どの認証要素を要求するのか、セキュリティプロファイルのアクセスルール単位で決定するように作り変えた」と説明した。

ISR プロダクトマネジメント部 部長の柴田一人氏

 新たなサポートサービス「CloudGate Premium Support」の特徴としては、より高いセキュリティレベルを求める企業に向け、「CloudGate UNO」と同時に利用することを前提に、専門的な知見を利用したMFAを含めたプロファイル設定のアドバイスや詳細なログ分析結果を提供し、データの裏付けをもとに最適な設定の支援を行う。サービス内容に応じて、「Bronze」「Silver」「Gold」の3プランを用意している。

「CloudGate Premium Support」のサービスメニュー

 Bronzeプランの基本サービスとして、「オンデマンドサポート」では、ライセンス契約時に無料で提供されるメールサポートに加え、必要に応じて電話およびWebサポートの利用が可能。急ぎの相談のほか、「CloudGate UNO」に関する様々なレクチャーなどにも利用できる。「ログ分析レポート」では、毎月、前月分のログを用い、外部からの攻撃が疑われるケースやパスワードエラーなどの頻度、会社端末以外からのアクセスなどを分析し、改善方法に対する提案をレポートとして提示する。「認証セキュリティコンサルティング」では、ISRの専門コンサルタントが「CloudGate UNO」の最適なプロファイル設定を提案する。Goldプランの場合は、ヒアリングミーティングを設定・開催する。

 各プランの料金は、Bronzeプランが月額10万円、Silverプランが月額20万円、Goldプランが月額30万円となる。

 なお発表会では、パートナー企業を代表して、電算システム、USEN SmartWorks、Yubicoの3社が「CloudGate UNO」ゼロトラストモデルおよび「CloudGate Premium Support」への期待を語った。

 電算システム クラウドインテグレーション事業部 クラウドソリューション部 部長の北村友史氏は、「コスト削減やセキュリティ強化のために、企業でもChromebookの導入が拡大しつつある。こうした中で、今回の『CloudGate UNO』ゼロトラストモデルとChromebookを組み合わせて提供することで、より強力なセキュリティ環境が構築できると考えている。また、『CloudGate Premium Support』は、リテラシー不足によってMFA導入に踏み切れない企業を後押しするサービスになると期待している」と述べた。

電算システム クラウドインテグレーション事業部 クラウドソリューション部 部長の北村友史氏

 USEN SmartWorks 代表取締役社長の大下幸一郎氏は、「当社は、BtoBの先にいる従業員に向けたワークツールを提供している。昨年から、コロナ禍で従業員の働き方が非対面となり、今後は対面と非対面が合わさったハイブリッドな社会になると予想される。こうした状況において、各従業員のニーズに応じた最適な働き方を提供していくためには、ワークツールのログを常時検知し、それをもとに適切なゲートウェイ設定やID認証が必要となってくる。その意味で、今回の『CloudGate Premium Support』は、当社にとって待望のサービスだと感じている」とした。

USEN SmartWorks 代表取締役社長の大下幸一郎氏

 Yubico ヴァイスプレジデントセールスの大友淳一氏は、「当社はセキュリティキー『YubiKey』を提供しているが、MFAを導入するにあたって、最も簡単にゼロトラスト環境を構築できる認証要素だと思っている。使い方のトレーニングをする必要もなく、電波や電池にも依存しないため、家の鍵の一緒に持ち運んで、認証が必要なときにすぐに使うことができる。今回の『CloudGate UNO』ゼロトラストモデルの展開においても、ITの知識に関わらず、様々な現場で容易にMFAを実現できる『YubiKey』のメリットは大きいと考えている」と語った。

Yubico ヴァイスプレジデントセールスの大友淳一氏