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NECとRealeyes、ビデオコミュニケーションの感情分析サービスを共同開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)とリトアニアのRealeyesは23日、NECの持つ生体認証・映像分析技術と、Realeyesの持つ感情分析技術を組み合わせた、新たな遠隔コミュニケーション向けのサービスを共同開発したと発表した。

 開発したサービスは、PCやスマートフォンで使用されるビデオコミュニケーションツールと連携し、ツール利用者の同意のもと、プライバシーに十分配慮した用途において、映像からツール利用者の感情を分析する。

会議利用における分析ダッシュボードイメージ

 具体的には、Realeyesの感情分析技術を活用し、ビデオコミュニケーションツール上の映像からツール利用者の興味や注目度などの反応を分析する。分析結果は分析ダッシュボード上で一覧として確認でき、ツール利用者にリアルタイムで共有できる。

 これにより、非対面であっても、コミュニケーション中の理解に不安がある部分などを即座に把握、察知し、その場で伝え方を工夫したり発言を促したりすることで、円滑な対話や会話の活性化に役立てられる。また、分析ダッシュボードを振り返ることで、主催者は会議構成やファシリテーションなどの改善、参加者は自身の反応の振り返りなど、自己理解への活用など利用者自身の目的に合わせてさまざまな用途で活用できる。

 NECとRealeyesでは、2020年8月~9月の2カ月間、両社によるサービスの技術検証を実施。ウェブ会議における会議参加者の感情を分析し、参加者の感情変化を把握できることが、主催者による自身の進行の振り返りに役立つことを実証したとしている。

 想定ユースケースとしては、社内会議や研修などで、主催者と参加者の双方が会議中の注目度や満足度の全体的な傾向を共有し、状況に応じたファシリテーションや効果的な説明を促すことで、時間内に効率的かつ最大限に内容の理解を深めることができると説明。また、教育現場では、授業中の集中度や困惑度、満足度などの全体的な傾向を教師と生徒双方で共有し、生徒が満足に理解できていないと思われる状況などに即座に対応していくことで、より目的にかなった授業を行えるとしている。

 サービスは、NECとRealeyesが2020年7月に発表した協業の一環となり、2021年1月にNECからサービスを販売開始予定。グローバルで3600億円規模の感情分析サービス市場におけるトップシェア獲得を目指すとしている。