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NTTデータ先端技術、バックオフィス業務の自動化・効率化を支援するAIソリューション「PhroneCore」

 NTTデータ先端技術株式会社は、バックオフィス業務の自動化、効率化に向けた先進自然言語処理ソリューション「PhroneCore(プロネコア)」を、12月より提供開始すると発表した。言語理解AIによる、営業日報や請求書をはじめとしたさまざまなビジネス文書の内容分析、整合性/リスクのチェックなどが可能で、幅広いバックオフィス業務に対応する。

 NTTデータ先端技術では、2019年12月より実施された郡山市と株式会社NTTデータ東北による実証実験において、言語理解AIのバックオフィス業務への導入に取り組み、同AIが、調査票における記載内容の不整合を、実用レベルの精度で検出できることを確認したほか、最大70%の人的コストの削減が試算されたという。

 また同社は、この実証実験を含め、契約書のリスクチェック、社内ヘルプデスクの問い合わせ対応、社外向け文書作成といった10件のバックオフィス業務への、言語理解AIの適用を実施。それらの事例を通じて得られた多様な言語理解AIと、その業務適用に関する知見・ノウハウを適用することで、言語理解AIをバックオフィスにおける多様な業務に適用できる形に整備し、サービス化した。

 その「PhroneCore」では、バックオフィス業務に必要となる文書分類、知識読解、自動要約など、さまざまな言語理解が可能な各種AI機能を提供するほか、必要に応じた機能のみを組み合わせて活用できるため、コストを抑えながら業務への迅速なAI適用を実現するとのこと。

 具体的には、文脈を理解できる最新の自然言語処理技術「BERT」を活用しており、少ない学習データでも高精度な文書理解が可能。営業日報や請求書などの内容分析、文書の整合性やリスクチェックといった、幅広いバックオフィス業務の自動化・効率化を実現する。

 また、文書の知識化を半自動化する技術「知識グラフ」を活用し、人の視点と同じように意味や関係性を認識させているので、従来の機械学習では実現できなかった“AIの回答に対する説明(XAI)”に対応。AIが出した結果のブラックボックス化を回避し、回答の根拠となる説明を利用できることで、業務の効率化のみにとどまらない、業務品質の向上や人材育成の促進にも寄与するとした。

 なおNTTデータ先端技術では、「PhroneCore」はAI自体を提供する一般のクラウド型AIと異なり、各種の言語理解AIを組み合わせることで、バックオフィス業務ですぐに使えるAI機能を提供するため、AIの業務適用にかかる時間やコストを削減できるとアピールしている。

 同社は「PhroneCore」を業種問わず幅広く提供し、2026年3月末までに50ライセンスの販売を目指す考えだ。

 今後は、「PhroneCore」を「音声認識」「文字・画像認識」といったコグニティブAIと組み合わせ、通常のビジネス文書だけでなく、会議音声や非定型帳票など、内容理解を必要とする作業の効率化・自動化についても順次対応していく予定。

「PhroneCore」のソフトウェア構成図