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NTTデータGSLが独SNPと提携、「移行プロジェクトのコストを最大90%削減できる」
2017年9月7日 06:00
株式会社NTTデータグローバルソリューションズ(NTTデータGSL)は6日、独Schneider-Neureither & Partner(SNP)との戦略的パートナーシップを締結したと発表した。このパートナーシップに基づき、NTTデータGSLは9月7日よりSNPのソフトウェア「SNP Transformation Backbone(SNP T-Bone)」を活用したデータ移行サービスを提供開始する。
SNP T-Boneは、企業の組織変更や吸収合併、分割、統廃合などによるシステムの再編時に、企業が持つデータやビジネスプロセスの状況を自動分析するなどしてマイグレーションをサポートするソフトウェア。基幹システムの分析はもちろん、プロジェクトの計画から実際のマイグレーション実施まで、プロジェクトの各段階に対応する。
SNP 最高経営責任者のアンドレアス・シュナイダー(Andreas Schneider-Neureither)氏によると、SNP T-Boneは同社が過去に世界70カ国で手がけた7000件以上の移行プロジェクトの実績がベースとなって誕生したという。
これまでに同社では、米Hewlett-PackardがHPとHewlett Packard Enterpriseに分社した際のシステム分離プロジェクトや、英Rolls-Royceがエネルギー部門を独Siemensに売却した際のシステム移行、米Kellogg'sがSAPのワークロードをAWSに移行したプロジェクトなどを手がけており、「SNP T-Boneを利用すれば、これまで手作業で行っていた作業が自動化できるため、人件費や移行期間の大幅な削減が可能。移行プロジェクト全体のコストが最大90%まで削減できる」としている。
SNTでは、すでにNTTデータのグループ会社である独itelligenceおよび南アフリカBritehouseと長年にわたるパートナーシップを組んでおり、40件以上のプロジェクトを成功させてきた。今回の提携により同社は、日本をはじめとするアジア太平洋市場での事業拡大を図りたい考えだ。
NTTデータGSLは、NTTデータグループのSAP事業の中核となる企業で、SAP関連の業務コンサルからシステム構築、運用保守、さらには海外展開までをワンストップで提供している。今回のSNPとの提携について、同社 代表取締役常務の小川兼一郎氏は、「グローバルビジネスを拡大する中で、グローバル対応力が強化できる。また、SAP S/4 HANAへの移行に向けたソリューションのサービス化も可能だ」と話す。「SNPとの連携により、さらに高付加価値なワンストップソリューションを提供していきたい」(小川氏)。
これまでNTTデータGSLでは、移行プロジェクトの際、アセスメントや開発、環境設定までは同社が行っていたものの、移行テストと本番移行は他社が担当していた。それが、SNP T-Boneを活用することで、他社が担当していた部分もNTTデータGSLにて実施できることから、「複数ベンダーによるプロジェクト管理が回避でき、NTTデータGSLにて一括管理が可能となる」(NTTデータGSL 第一製造事業部 事業部長 新垣信仁氏)という。
新垣氏は、SNP T-Boneを駆使したサービスのメリットについて、移行コストの削減はもちろんのこと、「ハードウェアやOSなどのバージョンや種類に依存することなく、データを柔軟に移行できる。また、システムの整合性を保ちながら変更が実施でき、システムのダウンタイムも短縮できる」と述べている。
今回の提携に伴い、すでにNTTデータGSLのメンバー4人がドイツにてトレーニングを受講したという。NTTデータGSLでは、今年度中にSNP T-Bone技術者を4名育成し、同ツールを活用したプロジェクトを2件受注することを目指す。また、2020年までには技術者を16名体制とし、1年間で約20件の案件を獲得したいとしている。