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カメラ映像をAI技術で解析し施設のリスク度合いを判定、SCSKが「Pan de seek」を提供

 SCSK株式会社は3日、AI技術とカメラ映像を組み合わせ、その場所の総合的なリスク度合いを検知・解析するソリューション「Pan de seek(パンデシーク)」を発表した。

 「Pan de seek」は、新型コロナウイルスをはじめとした感染症予防や熱中症対策などをサポートするソリューション。不特定多数の出入りがある施設において、総合的なリスク度合いをリアルタイムでモニタリング可能となっており、体調不良の可能性がある人物の検出、および新型コロナウイルス感染拡大防止対策に対する迅速な対応をサポートするとした。

 搭載する4つのAIモデルを用いてそれぞれの情報を収集し、個々のモデルの結果をもとに、総合的なリスク度合いをスコアとして判定・通知する仕組み。具体的には、マスク検知(マスクの着用率算出)、体温検知(サーモカメラを利用し一定温度を超える人物を検出)、体調不良行動検知(咳や倦怠感の現れなど、体調不良特有の行動をしている人物を検出)、密検知(人と人との距離が一定間隔以下でないかを算出)の4つを利用できる。

4つのAIモデルと利用の流れ

 また、複数のカメラ映像の解析結果をまとめてモニタリング可能な点も特長。事前に設定した安全ラインを超過した場合にアラートを出力できるため、効率のよい監視を実現するとした。さらに、その状況はデータとして保存され、映像を後から確認・解析することもできるほか、遠隔でのモニタリングを行えるので、管理者自身の感染リスクも低減するとしている。

管理コンソール画面

 加えて、AIモデルのシステムや設備への組み込みにも対応する。例えば、「オフィスエントランスにおいて、セキュリティゲートシステムに高体温検出モデルを組み込み、体温が規定値を上回るとゲートが開かないようにする」「リスク度合いが規定値を上回ると回転灯が起動する」「マスク検出モデルを利用し、マスク着用率が低いと着用を促すアナウンスを流す」といった利用が可能とのことだ。

 なお「Pan de seek」の画像解析技術には、SCSKのAIプラットフォーム「SNN(SCSK Neural Network toolkit)」を利用している。プログラミングスキルや深層学習に関する知識が一切不要であるため、業務ユーザーでも簡単に利用できるとのこと。