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トッパン・フォームズとKeychain、IoTデバイスの通信における機器認証にブロックチェーンを活用したセキュリティ確保を実現

 トッパン・フォームズ株式会社と合同会社Keychainは24日、IoTデバイスのデータ通信における機器認証にブロックチェーン(分散台帳)を活用し、高速・軽量な認証基盤を構築する実証実験で、セキュリティ確保に関する有効性を確認したと発表した。

 トッパン・フォームズとKeychainでは、4月1日に戦略的パートナーシップ契約を締結し、IoT分野におけるブロックチェーンの活用について取り組みを進めている。

 その第一弾として、トッパン・フォームズ関西株式会社の大阪桜井工場で行われている「感情・ストレス分析サービス」の実証実験において、ウェアラブルデバイスからバイタルデータを収集するIoTゲートウェイと、クラウドとの間の通信でセキュリティを確保する実証実験を行った。

 トッパン・フォームズとKeychainでは、近年、IoTデバイスを標的としたサイバー攻撃が増加傾向にあり、その普及とともにセキュリティ対策の重要性が高まっていると説明。現状では、企業や団体が行っているセキュリティ対策はデータを取り扱う最上位層であるクラウドが中心で、下位層のIoTデバイスへのセキュリティ対策が課題となっており、また、既存のシステムではデバイス数に比例して負荷が上昇してしまうため、高速・軽量で低スペックなIoTデバイスにも組み込み可能なアプリケーションが求められているとしている。

実証実験の概略図

 実施した実証実験では、認証管理のみをブロックチェーンに記録し、その他のデータは暗号化してインターネットを介して送信することで、高速・軽量な認証基盤と、端末レベルでのセキュリティ確保が実現できることを確認した。認証基盤の構築には、さまざまなブロックチェーン基盤上で利用できるアプリケーション開発フレームワーク「Keychain Core」を用いている。

 実証実験により確認できた有効性としては、ブロックチェーン上にはデータは記録せず、認証の管理のみ行うため、高速・軽量なアプリケーションが実現でき、IoTゲートウェイのような低スペックなデバイスにも組み込み可能である点を挙げている。

 また、データは暗号化し、機器認証のみをブロックチェーンで管理するため、取引内容が開示されることなくセキュアなデータ通信が可能。データはブロックチェーンで管理しないため、対象となるIoTデバイスが増加しても負荷を急上昇させることなく、セキュリティの確保を実現できるという。

 トッパン・フォームズとKeychainでは、IoTセキュリティの機能拡充やウェアラブルデバイスの高付加価値化に寄与する機能の開発を継続し、データ活用サービスの提供を通じて、社会的課題の解決に貢献していくとしている。