ソラコム、KDDIのau 5Gネットワークを利用したMVNO事業を2020年度中に開始へ

　株式会社ソラコムは14日、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」において、KDDIのau 5Gネットワークを利用したMVNO事業を2020年度中に開始すると発表した。また両社では、5Gを活用したユースケース創出に向けた技術検証として、Amazon Web Services（AWS）のコンピューティングストレージサービス「AWS Wavelength」を活用し、超低遅延アプリケーション環境の実証実験を7月から開始しているという。

　KDDIグループのソラコムでは、自社のIoT通信プラットフォームのSORACOMを通じて、“IoT通信とつながる”ためのシステム構築に必要な、さまざまなサービスを提供している。またSORACOMでは、4G LTEのセルラー回線と、省電力が特徴のLPWAを活用したLTE-M、Sigfoxを利用したIoTサービスも提供してきた。

　一方のKDDIは、2020年3月からau 5Gの提供を開始しており、2022年3月には5万局の展開を予定。日本全国で5Gが利用できるよう、速やかなエリア展開を進めているという。

　こうした中で、2020年度中にSORACOMがau 5Gに対応することにより、高速・低遅延・多接続の特長を生かし、大量の機械のログデータや映像データをクラウド側で解析する用途などでの、IoTシステム構築を可能にしていくとのことだ。

　さらに、現在提供している「SORACOM」の各種機能やサービスを5Gでも利用可能にすることで、新たなユースケースの創出に貢献するとしている。

　なおKDDIでは、AWS Wavelengthの国内展開に向けてAWSとパートナーシップを結んでいる。AWS Wavelengthをau 5Gネットワークを利用する端末の近くに配備することで、アプリケーション開発者は、使い慣れたAWSと同じコンピューティングとストレージサービスを利用し、機械学習やIoT、VRやARなどの超低遅延アプリケーションを提供可能になるという。

　今回、KDDIとソラコムでは、AWS WavelengthとKDDIのau 5Gネットワークにソラコムのコアネットワークを組み合わせた超低遅延アプリケーションの実証実験を、7月から開始したことを明らかにした。

　両社では、今後も5G・IoTをはじめとする最先端技術を活用し、さまざまなユーザーのニーズに沿ったデジタルトランスフォーメーション（DX）を共同で推進することにより、新しい体験価値を創造していくとアピールしている。