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損保ジャパンと日立ソリューションズ、IoTセキュリティ分野の保険サービス開発を目指して協業

PoCに協力可能な企業を募集

 損害保険ジャパン株式会社と株式会社日立ソリューションズは25日、IoTセキュリティ分野で協業すると発表した。セキュリティリスクを適切に評価し、保険料と連動させることで、ビジネス合理性を担保できる保険サービスの共同開発を目指すという。また、その第1弾として、IoTデータを収集しセキュリティリスクを診断するPoC(概念実証)に協力可能な企業を、6月26日より募集するとした。

 現在、IoTを活用して機器の稼働状況を可視化し、生産性や品質の向上に生かすことが期待されているが、制御システムを狙ったサイバー攻撃や、IoT機器の脆弱性を狙った不正アクセスなどセキュリティの脅威は増大しているという。そこで日立ソリューションズは、制御システムやIoTにおけるセキュリティ対策のコンサルテーションから、設計、構築、運用・監視までをトータルに支援するソリューションを提供してきた。

 一方の損保ジャパンは、サイバーインシデント発生時の対応費用や賠償費用を補償するサイバー保険を提供している。

 両社ではこうした背景の中で、今回、ITとファイナンスの両面から企業活動を支援するため、新サービスを共同開発することにしたという。

 今回は最初の取り組みとして、製造業、サービス業、医療機器関連などの企業において、セキュリティリスク診断のPoCを日立ソリューションズが実施することとし、PoCに協力してもらえる企業を募集する(先着10社まで)。募集期間は6月26日から12月末までで、このうち1カ月程度の日程でPoCを実施するとのこと。

 このPoCでは、日立ソリューションズが提供する、AI技術を活用した欧米で実績を持つソリューションをベースに、工場やプラントなどの施設のIoTデータを収集・分析してセキュリティリスクを診断する。協力企業は、日立ソリューションズの専門技術者から提出されるリスク診断レポートによって、制御/IoTシステムにおけるセキュリティリスクを確認できるとした。

 また損保ジャパンは、PoCで収集したデータを基に、リスク診断のノウハウから、想定される損害の規模や発生頻度といったリスク量を解析し、保険料を柔軟にきめ細かく設定する保険サービスの開発を目指す。新保険サービスの販売は、2021年1月ごろの開始を予定する。

 なお日立ソリューションズでは、各種セキュリティソリューションに損保ジャパンが開発する保険を付帯し、企業のIoT機器のセキュリティ対策をトータルに支援できるようにする計画だ。