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食品温度のリモート監視をオールインワンで――、東京エレクトロン デバイスのIoTキット

HACCPに沿った食品保管時の温度管理を支援

 東京エレクトロン デバイス株式会社(以下、TED)は23日、食品温度のリモート監視をオールインワンで行う「Cassia IoT 食品温度モニタリングキット」を発表した。同日より販売を開始する。

 改正食品衛生法によって、2020年6月からは、食品を扱う全事業者に対してHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)による衛生管理が義務化され、対象となる食品倉庫や飲食店では、HACCPに沿った食品保管時の温度管理と記録を継続的に行うことが求められている。

 しかし初期投資の問題に加えて、現状は温度計の確認を人が行っていたり、温度監視システムを導入していても、現場に出向いてのシステム管理やセンサー設置場所の調整などが必要であったりと、運用作業の負荷がかかることが課題となっているため、リモートによる温度監視のニーズが高まっているとのこと。

 今回発表された「Cassia IoT 食品温度モニタリングキット」は、クラウドを利用して食品温度のリモート監視をオールインワンで行えるIoTキット。具体的には、温度センサーのデータをBluetoothルータ、インターネットを経由してMicrosoft Azureのクラウド環境へ収集・可視化できるようにする。

 これにより、現場にて、スマートフォンなどを用いて温度センサーの管理操作を行うことなく、アラートの表示や測定データの保存、CSVファイルへの出力を行え、リモートによる温度監視を実現するとした。

 またBluetoothルータには、通信距離が長く通信感度が高いCassia Networksの製品を採用し、設置台数を最小限にとどめられるようにした。ルータには、信号の受信レベルを随時確認できるツールが同梱されているので、設置位置の調整が容易なほか、センサーのバッテリ残量状態の表示機能によってバッテリ交換作業を効率的に行えるなど、運用作業の負荷を軽減する仕組みも備えている。

 集計・可視化を行うサーバー機能についてもクラウドサービスを一括で提供するため、データベースサーバーやWebサーバーなどへの初期投資や、システム構築作業は不要。ユーザーのニーズに則した拡張やカスタマイズへの対応も可能とのことだ。

 なおTEDでは、「Cassia IoT 食品温度モニタリングキット」とMicrosoft Azure、Power BI画面構築サービスを提供することで、ユーザーに最適なIoTシステムの開発・導入と運用の負荷軽減に貢献するとアピールしている。

 パッケージにはCassia NetworksのBluetoothルータ×1台、Bluetooth温度センサー×3台と、Microsoft Azure(利用料金2万円分)、IoTアクセスコントローラ(初期設定済)5年間ライセンス、構築手順書などが含まれ、価格は19万8000円(以下、すべて税別)。Azure環境構築、Power BI画面構築といったオプション付きの場合で24万8000円。また、LTE/3G接続が可能なSIM/USBドングルが別途必要になる。