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Windows Update運用時のネットワーク負荷を軽減――、富士通がエッジデバイス「Z0110/W」を発売

 富士通株式会社は15日、富士通クライアントコンピューティング製のWindows Updateを支援するエッジコンピューティングデバイス「FUJITSU Desktop ESPRIMO Edge Computing Edition Z0110/W」(以下、Z0110/W)を、同日より販売開始すると発表した。

 Windows 10では、機能更新プログラム(Feature Update:半期ごとの大型アップデート、約3GB)や品質更新プログラム(Quality Update:月1回提供されるアップデート、約1GB)といった更新プログラムをWindows Updateによって定期的に適用する必要がある。企業では、社内に構築したWSUSサーバーによってこれらの配信をコントロールしている場合が多く見られるが、Windows Update時にはWSUSサーバーへのアクセス集中によるネットワーク負荷が問題になっているという。

 今回発表された「Z0110/W」は、こうしたWindows 10のアップデート運用を支援するためのエッジコンピューティングデバイスで、WSUSサーバーと連携した効率的なシステム更新の運用を可能とするとともに、無線LANアクセスポイントの実装により、無線環境のないオフィスにも容易に導入できるという。

 具体的には、社内のWSUSサーバーに配信された大容量のWindows Updateファイルを、最初の1台目となるマスター環境作成端末に適用する際、「Z0110/W」内のストレージに、Windows Updateファイルのキャッシュデータを一時的に保存する。

 マスター環境作成端末以外の複数端末は、このキャッシュデータからそれぞれ更新を実行するため、WSUSサーバーへの集中アクセスを防げ、ネットワークの負荷を軽減する仕組みとなっており、富士通によれば、Windows Updateのダウンロード時間を15分の1以下に短縮できるとのこと。

 また従来は、端末の負荷分散のため、拠点ごとに分配用サーバーの構築や、各端末におけるWindows Updateの更新スケジュールを設定する必要があった。これに対して「Z0110/W」では、運用管理ツールにより、同端末とマスター環境作成端末の状態、およびWindows Updateの適用スケジュールを計画的に管理できるため、サーバー構築の手間や運用管理などの工数が削減され、管理者の負荷を軽減するとしている。

 「Z0110/W」の価格はオープンで、提供開始は7月中旬以降予定する。

 なお文教向け専用モデルとして、「Z0110/W」と同筐体の「ESPRIMO Edge Computing Edition Z0110/E」を4月から販売開始しているとのことだ。