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国内企業のデータ運用成熟度、少数の先進的企業に対して未成熟な企業数の割合が多い~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は9日、国内の従業員数100人以上のユーザー企業へのウェブアンケート調査を基にした、国内企業のデータ運用成熟度を度数分布として発表した。データ管理におけるユーザー成熟度分布では、明白な二極化とまではいかないものの、少数の先進的企業に対して未成熟な企業数の割合が多く、偏りがあることが分かったとしている。

 IDC Japanでは、対象企業における社内(組織内)全体のデータ管理について、1)データの整合性/品質の維持、2)データの保全(障害からの回復)、3)データのセキュリティ/コンプライアンス維持の3つの分野すべてに関わることを条件に回答者を抽出し、2020年1月にウェブアンケート調査を実施した。

 データ運用成熟度モデルでは、ユーザー企業のデータ運用の状態を5段階に分類。第1段階は、未整備:データ運用の仕組みの大部分が未整備な状態、第2段階は途上前期:データ運用の仕組みを整備している途上であるが、改善点が多く残っている状態、第3段階は途上後期:データ運用の仕組み整備が進み、課題を残す部分が少ない状態、第4段階は要件充足:データ運用の仕組みが組織全体に整い、ビジネス要件を満たした状態、第5段階は迅速な適応:データ運用の仕組みがシステマティックに組織全体に整い、規制や競合などの環境変化に素早く対応できる状態、の5つに分類している。

 成熟度の分布を求めるにあたっては、判定の項目として、1)データ利用度 、2)クラウドとのデータ連携 、3)データ分析能力/人材などのリソース 、4)データ品質の整備状況、5)データガバナンスの状況 、6)データ管理ソフトウェアによる自動化、の6種の細分化項目に加え、それらの環境整備の結果がビジネスにどう反映されているかを、7)データ活用の業務への貢献度として総合評価に加え、7つを定めた。この集計の結果、未整備/整備が不十分のユーザーが多い傾向が明らかになったとしている。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの鈴木康介氏は、「DXへの取り組みが進む中で、クラウドサービスの利用は大きなメリットをもたらしているが、データ運用の点では、マルチクラウド連携、コンプライアンス順守、コストコントロールなど新たな要件が加わる面もある。一部のユーザー企業は既に効果的な仕組みでデータ運用の課題に対応しているが、多くの場合、環境整備は十分とは言えず、データ運用基盤の戦略的な再構築が求められる状況にある」と述べている。

データ管理におけるユーザー成熟度分布