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富士通、データセンター向けスケールアウト型SDS「ETERNUS Data Services Platform」を販売開始

 富士通株式会社は28日、ストレージシステム「FUJITSU Storage ETERNUS」シリーズにおいて、データセンター事業者や自社で大規模なデータセンターを持つ企業向けに、大量データの管理ソリューション「ETERNUS Data Services Platform(以下、ETERNUS DSP)」の販売を開始した。

 ETERNUS DSPは、富士通のPCサーバー「FUJITSU Server PRIMERGY」にデータ管理ソフトウェア「ETERNUS Data Services Platform Software」を実装したソフトウェアデファインドストレージ(SDS)。PCサーバーにソフトウェアを実装することで、ドライブ容量や処理性能の増強など、最新の技術を柔軟に取り入れたストレージ環境を提供する。

 最小3ノード60TBのストレージ構成からシステムを構築でき、システムの拡張に合わせて最大32ノード約3PB(ペタバイト)構成まで柔軟なスケールアウトが可能なため、システム要件の変化にもスムーズに対応する。

 各ノードにおけるストレージの使用容量や負荷の偏りをモニタリングし、他のノードへのデータ再配置や処理の分散を自律制御できる。複数の企業や自社内の複数部門が同一のストレージ装置を使う場合に、ユーザーごとにアクセスできるデータの範囲や操作できる権限を設定することで、セキュリティを維持しながら、ユーザー自身でデータ管理ができる機能を備える。これらの機能により、システム管理者のストレージ管理にかかる作業を70%減らすことができるとしている。

 また、システムの更改時には構成する全ストレージを一斉に置き換える必要があるため、費用面が課題となるが、ETERNUS DSPでは導入時期に応じてサポート期間が終了したノードから順番に置き換えが可能なため、システムの更改コストを平準化できる。データの移行作業についても、ユーザのシステムやサービスを停止させることなく、稼働中のストレージ環境に新しいノードを追加し、管理画面からの簡単な操作によりデータ移行が行える。

 製品の販売価格は、ETERNUS Data Services Platform Software(1TB /1年間、平日のサポートのみ)が4万7000円から、「PRIMERGY RX2530 M5 for ETERNUS DSP 19.2TB」が2155万7000円から。

 富士通では今後、データセンター事業者や顧客における大規模仮想化システムの運用負荷の軽減を図るため、富士通研究所が開発したフルスタックストレージ管理技術をETERNUS DSPに組み込むことを検討する。同技術により、大規模仮想化システムに割り当てられたストレージ領域に含まれる仮想化環境ごとの性能負荷や、仮想化システムとストレージに格納されたデータの関連性を可視化でき、運用作業の効率化が期待されるとしている。