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IDC Japan、システムタイプ別の国内サーバー市場予測をアップデート、全体では縮小傾向もクラウドは成長見込む

 IDC Japan株式会社は10日、「国内サーバー市場 システムタイプ別予測アップデート、2018年~2022年」を発表した。この調査レポートでは、5つのシステムタイプをグルーピングして、「SoR」「SoE/SoI(SoEとSoIの合計)」「Other(システム基盤プラットフォームと機器/制御システムの合計)」の3つのセグメントに分け、それぞれの支出額の予測値を試算している。

 2018年の国内サーバー市場全体では、前年比0.1%増の5022億6800万円になると予測しているが、システムタイプ別の支出額を見ると、SoRが前年比0.2%減の1919億5600万円、SoE/SoIが同4.9%減の520億6100万円、Otherが同1.4%増の2582億5100万円となっている。

 また、今後の支出額は弱含むとみられており、2017年~2022年の5年間における年間平均成長率(CAGR)はマイナス2.2%、2022年の国内サーバー市場は4484億5900万円と予測された。システムタイプ別では、SoRが1505億6400万円(CAGRはマイナス4.8%)、SoE/SoIが529億700万円(同 マイナス0.7%)、Otherが2449億8800万円(同 マイナス0.8%)と見込まれている。

 国内サーバー市場全体の支出額が弱含むと予測されている最も大きな要因は、生産年齢人口(15歳以上65歳未満人口)と年少人口(15歳未満人口)の減少で、IDC Japanでは、両人口の減少は、サーバーが処理するデータやトランザクションの減少を意味するため、この減少分を補い、かつ、サーバーの価格性能比向上サイクルを上回るペースでサーバー需要が創出されない限り、国内サーバー市場の拡大は望めない状況にあると指摘した。

 なお、システムタイプと配備モデルの組み合わせで国内サーバー市場を分類した場合、SoR on Cloud、SoE/SoI on Cloud、Other on Cloudの3セグメントでは成長が見込まれているとのこと。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャー、福冨里志氏は、「サーバーベンダーは、これら3つの成長セグメントのうち、特にSoE/SoI on Cloudに注力すべき。このセグメントでは新規需要を攻略することが成長戦略になる」と指摘。企業規模の観点ですそ野へと広がる余地があるCRMソリューションへの注力と、データに基づく洞察を得るためのコグニティブ/AIシステム関連ソリューションの拡充、およびデマンドクリエイション(需要の創造)が必要とした。

 また「SoI関連のビジネスは、唯一、サーバーハードウェアの差別化による競争力の強化が可能な成長セグメントでもある」とも述べている。

国内サーバー市場 支出額予測、2017年~2022年(出典:IDC Japan)