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日立、Amazon EC2 Auto Scaling対応などを行ったミドルウェア製品群「Cosminexus V11」

オンプレミス/クラウド連携での開発支援機能も強化

 株式会社日立製作所(以下、日立)は18日、Webアプリケーションの開発・実行環境を提供するミドルウェア製品群「Cosminexus」において、新版「Cosminexus V11」を同日より販売開始すると発表した。

 新版である「Cosminexus V11」では、既存システムのパブリッククラウド移行に伴う開発を容易にするための機能強化を実施している。まず、Webアプリケーション開発・実行環境の中核となるアプリケーションサーバー「uCosminexus Application Server」とその関連製品において、Amazon EC2 Auto Scaling対応を行った。

 なお、オートスケーリングでは、キャパシティの予測が不要でサービスをスモールスタートしやすい反面、動的に仮想サーバーが生成/削除される特性のため、信頼性を考慮した設計や設定が複雑であり、アプリケーション開発上の課題となっている。

 日立では、こうした課題解決を支援するため、「Cosminexus V11」による実機検証済みのオートスケーリング設計のノウハウを構築ガイドとしてまとめ、CosminexusのWebサイトにて5月末に無償公開する予定。このガイドには、設計の手順や留意すべき設定、システム構成例などが掲載されており、パブリッククラウド上での容易なオートスケーリング設計を支援するとのことだ。

 uCosminexus Application Serverの価格は、120万円(税別)から。新版は、3月31日により順次提供を開始する。

 また、オンプレミスの既存システムと連携したアプリケーションをパブリッククラウド上で開発する際、サービス統合基盤「uCosminexus Service Platform」が提供するESB(エンタープライズサービスバス)を介すると、既存システムを呼び出す際に、その呼び出しを一般的なREST APIに統一することができる。

 今回は、このREST APIで既存システムを呼び出す処理の開発支援機能を強化するとともに、ログ機能の強化により、アプリケーション内の業務処理の流れを把握しやすくした。

 これらにより、アプリケーションの開発やデバッグ、トラブルシュートを支援することで、オンプレミスの既存システムとクラウドとの連携部分の開発工数を削減可能。さらには、オンプレミスとの連携のほか、例えばFintech関連サービスなど、クラウド上でほかの企業が提供するサービスとの連携も支援するとしている。

 uCosminexus Service Platformの価格は、420万円(税別)から。提供開始は3月31日の予定。

 このほか、標準的なビジネスプロセスモデリング表記(BPMN 2.0)に準拠したワークフロー基盤「uCosminexus Service Platform ‐ WorkCoordinator」において、ビジネスプロセスの設計情報入出力機能およびデバッグ機能を新たに提供。キヤノンITソリューションズ株式会社のローコード開発ツール「Web Performer」との連携も行っており、マルチブラウザ/マルチデバイスに対応した業務アプリケーションの開発を可能にしているとのことだ。

 なお「Cosminexus V11」では、Java SE 11の長期サポートバージョンに準拠するとともに、提供開始から10年間の長期保守に対応。Java EE 7において、WebSocketなど、使用頻度が高く、アプリケーションの自由度を拡大する主要な新仕様へも対応した。