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第3のプラットフォーム国内市場は2023年に21兆7515億円規模に、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は27日、第3のプラットフォームの国内市場(ハードウェア、ソフトウェア、サービス、通信サービスを含む)について、2019年~2023年の市場予測を発表した。2019年の国内第3のプラットフォーム市場の市場規模(支出額ベース)は前年比6.5%増の16兆3307億円。同市場は2023年には21兆7515億円に達し、2018年~2023年の年間平均成長率は7.2%になると予測している。

 なお、IDC Japanでは、今回の予測から一部の技術要素のデジタルトランスフォーメーション(DX)への貢献状況の捉え方を見直し、また新しい技術要素を第3のプラットフォーム市場として加えたことにより、前回の予測と比較して予測期間を通じて市場規模を大きく上方修正したとしている。

 IDC Japanでは、国内第3のプラットフォーム市場を、企業分野、非企業分野(中央官庁、地方自治体、教育)、消費者分野に分類。企業分野においては、各産業分野に特有のDXの取り組みと、働き方改革の推進や顧客エクスペリエンス向上といった全産業分野に共通するDXの実現を目指す取り組みが第3のプラットフォームへの支出の拡大を後押しし、2018年~2023年の年間平均成長率は11.2%になると予測している。

 非企業分野においても堅調な成長が予測されるが、企業分野と比較するとDXの取り組みがやや遅れていると分析。非企業分野におけるクラウドへの移行スピードは相対的に緩やかで、業務プロセスのデジタル変革や新技術の活用に対する姿勢も積極的でないことから、2018年~2023年の年間平均成長率は9.0%と予測している。

 消費者については、スマートホームやウェルネスソリューション向けの支出が期待される一方、現在の支出の大半を占めるモビリティについて、モバイルデバイスの高い普及率と国内人口の減少から市場の拡大は見込めず、2018年~2023年の年間平均成長率は2.1%と緩やかな成長にとどまるとしている。

 産業分野別では、組立製造、通信、専門的サービスが、期間中の年間平均成長率が12%を超えて特に成長が予測されるとしている。組立製造については、海外市場を含めた経済要因の不確実性が高い状況で従来型設備への支出を抑制する一方、サイバーフィジカルシステムの導入による生産/流通コストの極小化を図る世界的潮流が、DXへの投資を後押しすると分析している。

 通信については、第5世代移動通信システム(5G)の産業応用ユースケース開発に関わるIT支出が予測期間の後半にかけて本格化。また、大手MNO(Mobile Network Operator)が揃って金融サービスなど非通信領域での事業強化を図っており、金融、製造を始めとする他の産業分野の事業者との協業によるサービス開発に第3のプラットフォームが活用される機会が増えるとしている。

 専門的サービスについては、広告業でクリエイティブ業務にAIを活用するなど、第3のプラットフォームの活用によって人的に行う顧客向けサービスの付加価値を高めるといった取り組みが拡大するとしている。

 従業員規模別では、2018年~2023年の年間平均成長率は、従業員規模1000人以上の大企業が12.6%と最も高く、次いで従業員規模500~999人の中堅企業が10.7%、従業員規模100~499人が10.3%と予測。企業がDXに取り組む上では、DX推進体制/人材の確保、本格展開のための投資余力、分析対象となるデータ規模などが重要となり、規模が大きい企業ほど実行条件が整っているため、国内第3のプラットフォーム市場の中期的成長は、中堅および大企業が牽引するとしている。

国内第3のプラットフォーム市場 支出額予測:2018年~2023年(出典:IDC Japan)