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IIJ、10G対応のソフトウェアルーター「SEIL/x86 Ayame」を提供開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は19日、ソフトウェアルーター「SEIL/x86」シリーズの上位製品として、新たに10ギガビット対応の「SEIL/x86 Ayame(アヤメ)」を追加し、提供を開始した。

 SEIL/x86は、IIJが開発した企業向けルーター「SEIL」と同等の機能をソフトウェアとして提供するソフトウェアルーター。PCや仮想サーバーにSEIL/x86をインストールすることで、VPNのセンタールーターやクラウド環境のゲートウェイルーターとして利用できる。

 新製品のSEIL/x86 Ayameは、10ギガビット、マルチコアCPU(最大8コア)に対応し、多数の拠点を収容可能なセンタールーターとしての機能をソフトウェアで提供する。仮想環境にある機器のデータ入出力(I/O)を高速化するテクノロジー「SR-IOV」や「PCIパススルー」に対応することで、マシンに内蔵されているNICが稼働する際のオーバヘッドを削減するとともに、暗号アクセラレータとしてIntel QuickAssist Technologyの利用に対応するなど、パフォーマンスを大幅に向上した。

 個人向けに機能を限定した「スタンダードエディション」、法人向けの「エンタープライズエディション」の2つのライセンス体系を用意。エンタープライズエディションでは、マルチコアCPU対応やI/O高速化テクノロジーに対応するなど、大規模WANのセンタールーターとして必要な機能を実装しているほか、ベアメタル(OSを搭載していない物理サーバー)での動作確認を進めていく予定。

 IIJの特許技術「SMFv2」をもとに独自開発したネットワーク機器の集中管理サービス「SACM(Service Adaptor Control Manager)」に対応し、機器をネットワークに接続するだけで、遠隔で自動設定や運用管理が一元的に行える。これまでのSEILシリーズと同様に、SEIL/x86 Ayameをインストールした機器でもSACMを利用することで、簡便にリモート管理・運用が行える。

 SEIL/x86 Ayameの提供価格(税込み)は、スタンダードエディションが5500円、エンタープライズエディションが27万5000円。現時点ではエンタープライズエディションのみの提供で、スタンダードエディションは2020年1月中にAmazonでの販売開始を予定する。