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NTT Comと日建設計、ユーザーが建物に据え付けられたカメラを利用できる写真撮影サービス「AIR FINDER」を開始

「東急プラザ渋谷」の18階屋上広場で体験可能

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は3日、同社のカメラシェアリングサービス「PaN」に、株式会社日建設計のデザインを融合させた、新しい空間体験を提供する写真撮影サービス「AIR FINDER」を12月5日に開始すると発表した。価格は個別見積もり。

 PaNは、商業施設やイベント会場などに設置されたカメラを利用者がシェア(共用)できるカメラシェアリングサービス。建物に据え付けられたカメラを使うことで、自分では撮れないアングルからの自撮りや、背景を合成した自撮り、ARによるキャラクターと一緒の自撮りなどの撮影体験を提供する。

 NTT Comでは、2017年にPaNの提供を開始した後、大型施設や公共空間のデザイン実績を多数持つ日建設計と検討を重ね、2019年9月に共同事業契約を結び、より魅力的な写真撮影サービスとなるAIR FINDERの開発を行ってきた。

 AIR FINDERは、商業施設などに設置した高画質の4Kカメラを、利用者が自分のスマートフォンから遠隔でシャッターを切って撮影することを可能にする。利用者は、スマートフォンのブラウザーを使って、撮影だけでなく画像のダウンロードも行うことができ、自分では撮影できない、見栄えのする空間を背景にした自撮りを実現する。

 日建設計が、カメラを設置する空間の「見せ場」を細部にわたりデザインし、最適な構図で写真が撮れる空間をプロデュースする。自分では撮影できないアングルなどから高画質4Kの写真を撮影できるだけでなく、イベントや季節に合わせたオリジナルのフォトフレームを合成することも可能で、サービスならではの付加価値を提供する。

「AIR FINDER」で撮影した写真(東急プラザ渋谷 18階屋上広場)

 サービスでは、個人情報に相当しない匿名の撮影データをAIが解析し、推定される年齢や性別、グループの人数などの属性を取得できる。撮影した時季や時間帯、あるいはその前後で開催されていたイベントの情報などのデータとかけ合わせて分析することで、マーケティングへの活用が可能となる。

 決まった場所で撮影するというサービスの特徴を生かし、撮影する空間そのものを新しい広告媒体として活用することが可能。イベントと連動したフレームや、広告を合成した背景を作ることができるほか、写真をダウンロードする際のウェブページも広告やキャンペーンの告知に利用できる。

 また、AIによる画像解析と組み合わせることで、イベントへの反響や空間デザインへの反応を測り、空間体験の価値向上につなげていくことも可能。個社別の要望に応じて、NTT Comによるシステムのカスタマイズや日建設計の空間デザインに関するコンサルティングにも対応する。

 サービスは、新しく開業する渋谷の商業施設「東急プラザ渋谷」の18階屋上広場で、12月5日から体験できる。ユーザーは、スマートフォンからQRコードで専用サイトにアクセスすることで、遠隔にあるカメラを操作して撮影できる。撮影した写真は、すぐにスマートフォンにダウンロード可能でき、自撮りでは綺麗に撮影することが難しい、渋谷のスクランブル交差点から新宿の高層ビル群までがすべて収まる広い画角での写真を撮ることができる。