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ドーモ、デジタル変革を実現するためのポイントや成功事例を基調講演で紹介

プライベートイベント「Domo Reimagine Tokyo」レポート

 ドーモ株式会社は6日、プライベートイベント「Domo Reimagine Tokyo」を開催した。基調講演では、Domo 創業者兼CEOのジャシュ・ジェイムズ氏とDomo チーフデザインオフィサーのクリス・ウィルス氏が登壇。デジタル変革の実現が求められている中で、「Domo」プラットフォームがどのように企業成長を促進しデジタル変革へと導いていくのか、そのポイントを、成功事例を交えながら紹介した。

 DomoのジェイムズCEOは、まずデジタル変革の現状について、「今、多くの企業がデジタル変革の実現を目指して、さまざまな取り組みを進めている。しかし、デジタル変革の取り組みによって、パフォーマンスを向上できた企業は非常に少ないのが実情だ」と指摘。

 「また、デジタル変革に向けて、クラウドプラットフォームの導入も進んでいる。例えば、CRMでは『Salesforce』、人事・ERPでは『Workday』、生産性では『Office 365』、ITサービスでは『ServiceNow』、マーケティングでは『Adobe Analytics』などがある。ただ、これらのクラウドプラットフォームは、各部門の業務を支援するもので、部分最適化にすぎない。デジタル変革は、部門単位ではなく、企業単位で進めないと成功することは難しい」との考えを述べた。

Domo 創業者兼CEOのジャシュ・ジェイムズ氏

 こうした中で同社は、企業内で部分最適化されているデータを統合し、デジタル変革を成功に導くプラットフォームとして「Domo」を提供しているという。ジェイムズCEOは、「Domo」によってデジタル変革を実現するための3つのステップとして、「接続と変換」「可視化と分析」「拡張とカスタマイズ」を挙げた。

デジタル変革を実現するための3つのステップ

 「『接続と変換』では、あらゆるソースのデータを接続するために約1000個のコネクタを用意している。また、データ変換ツールによって、簡単にデータを統合することができる。『可視化と分析』では、統合したデータをダッシュボードで可視化するとともに、AIを活用した予測分析を行うことが可能だ。そして、『拡張とカスタマイズ』では、DomoのAppライブラリを利用して、作成済みの業界別Appを活用することができる。さらに、自社の業務内容に応じたカスタムAppを作成することもできる」としている。

 これまでに「Domo」プラットフォームで作成されたカスタムAppとしては、「営業コミッションを管理するアプリ」、「化粧品の販売管理アプリ」、「エンターテイメント系企業によるアーティスト管理アプリ」、「自動掃除機のデータ管理アプリ」などがあるという。

 「カスタムAppを利用することで、企業内のデータをさらに有効活用し、デジタル変革の実現へとつなげることができる。当社では現在、その第一歩を支援するべく、60分間のPoC(導入検証)サービスを無料提供している。自社のデータを利用して、実際に『Domo』プラットフォームの機能を試してほしい」と訴えた。

「Domo」プラットフォームで作成したカスタムApp

 次に、Domo チーフデザインオフィサーのクリス・ウィルス氏が、「Domo」プラットフォームの導入事例を紹介しながら、デジタル変革を成功させるためのポイントについて説明した。

Domo チーフデザインオフィサーのクリス・ウィルス氏

 「デジタル変革とは、単にモノをデジタル化したり、デジタルツールを提供するのではなく、デジタルテクノロジーを活用して、ビジネスの改善または新しいビジネス創出を支援することであると考えている」とウィルス氏。

 「では、デジタル変革を実現するのはなぜ難しいのか。それは、馬車の代わりに自動車になったという単純な変革ではなく、世界全体の仕組みを根本的に変えるほどのディスラプションだからだ。この変革を成功させるためには、自身のマインドセットを変え、ビジネスの目的そのものを見直すことも重要になる」と述べた。

 そこで同社では、「Domo」プラットフォームの導入にあたり、デジタル変革に向けたポジションマップを提示し、「足踏み」「空回り」「限定的」「革新」の4つの中から、どの位置にあるのかを確認するという。

 ウィルス氏は、「現在、多くの企業は『足踏み』の状態にある。ここはデジタル変革に向けた最初の第一歩であり、データ活用の最適化も『足踏み』状態に含まれる。ここから『革新』へと進むためには、データ活用を拡張して、Re:imagineすることが必要になる。つまり、自社のビジネスプロセスを抜本的に見直し、新たなデータ活用によって新しい価値を生み出すことが求められる」とした。

デジタル変革に向けたポジションマップ

 このポジションマップを踏まえて、「Domo」プラットフォームによるデジタル変革の成功事例として、UniVisionの取り組みを紹介。「UniVisionは当初、デジタル変革の『足踏み』状態で、データが12個のシステムにサイロ化され、コンテンツ収益を改善できない状態だった。そこで、『Domo』プラットフォームを導入し、データの置き場所はそのままにサイロ化されたデータを統合。これによって、コンテンツ収益が80%向上した」という。

 またウィルス氏は、デジタル変革に向けて「空回り」状態にあった小売業での導入事例や、「限定的」状態であった電機部品会社の導入事例、さらには自社で実践している働き方改革の取り組みにも触れ、「『Domo』プラットフォームは、大規模なプロジェクトを立ち上げることなく、迅速かつ低コスト・低リスクでデジタル変革を成功へと導くことができる」と、デジタル変革のための最適なプラットフォームであることを強調した。