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HPE Arubaが店舗・SMB向けアクセスポイント「Instant On」発表、高いセキュリティを簡単な設定で導入可能

 米Hewlett-Packard Enterprise(HPE)のグループ企業であるArubaは25日、スモールビジネス向けのネットワーク製品「Aruba Instant On」を発表した。

 Arubaはこれまで、エンタープライズ向けにネットワーク製品を提供してきたが、新ブランドAruba Instant OnではIT管理者が存在しないスモールビジネスを想定し、設定や管理が容易にできる仕組みを用意。クリニックや薬局、美容室、ブティックホテル、小規模オフィスなどをターゲットとし、屋内用の製品4種類を展開するほか、屋外向け製品の発売も予定している。

Aruba Instant Onの特徴
ターゲットとなる顧客層

 米Aruba バイスプレジデント スモール&ミディアムビジネス事業統括のアモル・ミトラ(Amol Mitra)氏は、「数年間この市場に参入する方法を検討し、ようやく準備ができた。『Instant On』とは、プラグ&プレイのようにすぐに使えるという意味で、シンプルかつ直感的に設定や管理ができるようにした。これが競合との差別化ポイントのひとつだ」と、新ブランドに対する意気込みを語った。

米Aruba バイスプレジデント スモール&ミディアムビジネス事業統括 Amol Mitra氏

 Aruba Instant Onの特徴をミトラ氏は「シンプルで、安全で、スマート」と説明する。管理には、Aruba Instant OnモバイルアプリとクラウドベースのWebポータルを用意、直感的にセットアップできるようになっている。セキュリティ面では、最新Wi-Fiセキュリティ規格のWPA3に準拠するなど、エンタープライズクラスのセキュリティ機能を確保している。また、配線が困難な場所にもネットワークを拡張できるスマートメッシュ(次世代中継機能)が搭載されている。

 日本ヒューレット・パッカード株式会社 執行役員 Aruba事業統括本部 事業統括本部長の田中泰光氏は、「最近多くの店舗でキャッシュレス決済を導入しているが、ゲスト向けWi-Fiと同じネットワークでキャッシュレス決済を実施するのは、セキュリティ面で問題がある。Aruba Instant Onは、こうした課題に対応できる製品だ」と語る。また、在宅勤務者がセキュリティの高い製品をシンプルに導入できるという観点からも、同製品は最適だとしている。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 Aruba事業統括本部 事業統括本部長 田中泰光氏

 マニュアルや設定画面は、できるだけわかりやすいよう国内スタッフが特別に準備した。製品デモでは、田中氏が「IT担当者でない私でも簡単に設定できる」とアプリ画面を披露。「ネットワークを拡張する方法」という画面では、アプリが「デバイスの電源を入れる」という段階から指示する様子を示した。

スマートフォンから新しいデバイスを追加する際のガイダンス

 価格は、屋内用のInstant On AP11(天井・壁取り付け型)が定価1万9000円(税別)、Instant On AP11D(据え置き型)が定価2万6000円(税別)など。ミトラ氏は「十分に価格競争力がある製品だ」とアピールしている。

Aruba Instant On AP11
Aruba Instant On AP11D
Aruba Instant Onブランドで展開する新製品5機種

 国内での販売目標として田中氏は、2020年11月までに2万4000台、2021年11月までに4万8000台、2022年11月までに10万台を目指すとしている。SB C&S株式会社およびダイワボウ情報システム株式会社がメインディストリビュータとなって販売するほか、株式会社日本HPおよび日本ヒューレット・パッカードのECサイトでも販売する。また、地域に根づいた販売店や、ホテルや流通といった特定業種に強い販売店と協力することも視野に入れるという。

販売経路

 ミトラ氏は、「スモールビジネスの52%がセキュリティに対する懸念からIT予算を増やすとしているほか、68%は2019年に老朽化したITインフラの入れ替えに投資を集中させるとしている」というトレンドを解説、「この市場における機会は大きい」と述べた。