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日立、高速シミュレーションによりサプライチェーンの最適化を支援するサービス

 株式会社日立製作所(以下、日立)は11日、サプライチェーンをサイバー空間上で再現し高速なシミュレーションを行うことにより、在庫や輸送など、各種計画のKPIに対する最適解を提示するSaaS型サービス「サプライチェーン最適化サービス」を発表した。同日より提供を開始する。

 「サプライチェーン最適化サービス」は、調達から製造、保管、輸送、販売までのデータをサイバー空間上でひも付けてサプライチェーン全体を再現し、モノやお金、情報の流れをシミュレーションすることにより、需要変動に対応した計画の自動立案を実現するソリューション。

 日立では、自らのサプライチェーン改革におけるノウハウを活用した標準的な業務ロジックを多く取りそろえており、その中から顧客企業のサプライチェーンに適した業務ロジックを選択するだけで、容易にサプライチェーンのモデルを構築できるという。これにより、従来は数カ月を要していた準備作業を短時間で実現できるため、早期の運用開始を可能にしている

 また、モデルには顧客企業特有の業務ロジックも柔軟に組み込めるので、現場業務の状況にあわせた精度の高いシミュレーションを行えるとのこと。さらに、日立独自の高速シミュレーションエンジンにより、品目数が膨大で複雑なサプライチェーンでも、短時間でのデータ分析を可能にしている点も特長。日々の変化に対応するサプライチェーン全体の最適化を、継続的に行うことを支援するとした。

 具体的なメニューとしては、効果試算により戦略策定を支援するコンサルティングサービス、導入サービス、運用サービスを用意しており、価格はいずれも個別見積もり。

サプライチェーン最適化サービスのコンセプト

 なお日立では、サービスの商用化と並行して、2017年度に、グローバルに展開する大手小売企業にて導入検証を行っているが、その結果、従来はタイムリーに出荷するため国内倉庫に余剰保管していた在庫を、保管コストの安価な海外倉庫に移動でき、在庫管理コストの約50%削減を実現した。さらに数万点にもおよぶ、商品別にきめ細かな供給計画を迅速に自動計算可能になったことで、欠品発生件数も約50%削減できたという。

 こうして、在庫管理コストや欠品発生件数が半減するなど、大きな効果が確認されたことにより、この企業では、2019年度より本番環境での運用を開始したとのことだ。

サプライチェーン最適化サービス活用時の業務画面イメージ