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西友、日立のAIシステムで約250アイテムの食品発注作業を自動化

 合同会社西友は9日、株式会社日立製作所(以下、日立)との協創を通じて、AIによる需要予測に基づき自動発注を行うシステム「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を、10月から全国の店舗へ導入開始すると発表した。

 対象は、西友が販売する弁当・惣菜売り場の商品のうち、西友の自社工場で製造した商品をはじめとする約250アイテム。従来は各店舗の担当者が、商品ごとに過去の在庫・発注・販売・廃棄量や、天候・イベント情報などの複雑な条件を考慮し、需要を予測した上で発注作業を行ってきたが、こうした作業は熟練者による経験・ノウハウが必要とされていたほか、一定程度の作業時間を要していたという。

 こうした状況において、西友と、Lumadaの小売・流通業向けソリューション「Hitachi Digital Solution for Retail」を提供する日立は、2018年から両社の知見・ノウハウを融合し、AIを活用した発注業務の効率化に向けた協創を開始。2019年3月からは1カ月間にわたり、3店舗の弁当・惣菜売り場の19品目を対象に、「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を適用して実証実験を行っていたが、今回、全国の店舗へ導入を開始することになったとのこと。

 なおシステムの運用にあたっては、西友が、店舗の弁当・惣菜売り場における過去および発注日の各種データ(商品ごとの在庫・発注・販売・廃棄量、気象、曜日・季節変動、販促イベントなど)を日立に提供。日立はそれらのデータを、「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」のAI技術を用いて分析し、店舗別・アイテム別の推奨発注量を自動で算出して西友に提供する、といった流れになる。また日立では、実績値と予測値を比較して自動補正を行い、需要予測精度の向上を図るとした。

 西友では、こうして、担当者が従来行っていた発注業務をAIに任せることで、発注作業の自動化を実現。スタッフは、店内厨房での加工業務や接客などの店舗オペレーションにいっそう注力できるようになるという。あわせて、欠品の改善や、社会問題化している食品廃棄ロスの削減を目指すとのこと。

 また日立は今後、今回適用する「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を、Lumadaの小売・流通業向けのソリューションのひとつとして展開していく考えだ。