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日立、企業ブランドの維持・向上を支援する「ブランドモニタリングサービス」

無許諾スマホアプリ検知など3つのメニューを提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は12日、AIなどのデジタル技術を活用し、企業におけるブランド価値の維持・向上をトータルで支援する「ブランドモニタリングサービス」を、10月1日から提供開始すると発表した。社名やロゴを悪用した不正アプリの検知と、企業サイトにおける適正なブランド利用の管理、発表前製品画像などの機密情報の漏えい検知を対象とした3つのサービスを開始する。

 このサービスは、SNSやブログ、アプリストア、イントラネットなど、顧客が指定するサイトを網羅的にモニタリングし、定期分析のレポートや管理ポータルの形式で提供するもの。中核技術として、日立独自のWeb検索技術(以下、クローラ技術)と、リスクワードを文意などから自動判別するテキスト認識AI、ロゴや製品画像などから固有の特徴(形状・色合い・模様)を識別する画像認識AIを利用している。

 このうちクローラ技術により、一般の検索エンジンでは収集できない深層Webを含め、Webサイトやアプリストア、SNSなど、指定されたさまざまなメディアから幅広く情報を収集できるという。またテキスト認識AIと画像認識AIは、あらかじめ学習した社名やロゴ、製品などの表示基準、ブランドルールをもとに、収集した情報が顧客のブランドに関連する情報か否か、ガイドラインに基づき適切に利用されているかを判断できるとした。

 顧客はこのサービスを利用することにより、ブランド侵害コンテンツの特定・対処などを迅速化し、従来は手作業で行っていたブランド管理業務の効率化・高度化や、企業ブランドの強化・棄損リスクの防止に貢献するとしている。

 具体的なサービスとしては、1)無許諾スマートフォンアプリ検知サービス、2)ブランド適正利用管理サービス、3)機密情報漏えい検知サービスをラインアップした。

 1)は、企業の正規アプリを模した第三者のアプリを検知するもの。Google PlayとApp Storeの各国向けアプリストア(140カ国以上)を対象とし、企業名やロゴを不正利用している可能性のあるアプリを検知して、定期レポートとして提供する。

 ストア内のアプリ情報からアイコンや説明画面を画像認識し、類似性の高いアプリを網羅的に検出する仕組みにより、画像内に組み込まれた企業名やロゴなど、通常のテキスト検索では発見できない偽アプリにも対応する。またテキスト認識AIにより、一般性の高い名称も自動的に意味を判定するため、関連性のないアプリを除外し、顧客の確認負荷を軽減するとした。

 2)は、社員やグループ企業などによる、適正なブランド利用の管理・徹底を支援するサービス。ロゴのサイズや配置、ページデザインなどのブランドルールをAIに学習させ、ルールに従っていない違反コンテンツを自動検知する。加えて、問題個所が是正されるまで、管理ポータル上で該当ページの最新状況をトラッキングする仕組みも備えているとのこと。

 3)では、発表前の製品写真や社外秘資料など、機密情報の外部漏えいが検知された場合に、定期レポートとして提供する。深層Webにも対応するクローラ技術と画像・テキスト認識AIにより、機密情報が不正にアップロードされる懸念のあるサイトをモニタリングしながら、企業名やロゴ、キーワードなどの関連情報と組み合わせて機密情報か否かを分析し、情報漏えいを検知するとした。

 なお日立は、今後もサービスの拡充を図る考えで、ブランド理念構築や企業ブランディングによって持続的に業績を向上させる、ブランド経営のあり方を支援するメニューの提供などを予定している。