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NTTデータ、“レジ無しデジタル店舗”の出店サービスを提供

実験店舗でのビジネスプラン作成から出店・運用、多店舗展開までを支援

 株式会社NTTデータは2日、決済手段を指定したQRコードで認証入店することにより、レジ決済なしで商品を持ち帰れる“レジ無しデジタル店舗”の出店サービスを、小売業界向けに提供開始すると発表した。カメラや重量センサーからのデータ解析を得意とする中国CloudPickと業務提携し、レジ無しデジタル店舗のビジネス化に向け、3段階でサービス提供を行うという。

 NTTデータでは2019年8月に、同社のデザインスタジオ内に「レジ無しデジタル実験店舗」を設置しており、まずは同店舗で顧客・従業員体験をすることによって、業務オペレーションや店舗収支を推測したビジネスプランの仮説を作成する。このフェーズでは、NTTデータグループのネットイヤーグループ株式会社との協力により、最短1日で体験できるプログラムも用意するとした。

レジ無しデジタル実験店舗

 次のフェーズでは、実際のレジ無しデジタル店舗を顧客企業が出店し、作成したビジネスプランを基にNTTデータと共同で仮説検証を行うことによって、多店舗展開に向けた課題と対応方針を明らかにするという。このフェーズにおいては、機器保守や顧客からの問い合わせ対応、従業員への店舗業務説明など、店舗の運用面までを支援する。

 最後のフェーズでは、レジ無しデジタル店舗を多店舗展開する上で想定される、多様な店舗形態や商材を踏まえた企画・業務オペレーション設計のコンサルティング、多店舗展開に耐えうるシステムインフラの提供、導入するソフトウエアや機器の品質向上など、レジ無しデジタル店舗を多店舗展開するためのエコシステムを設計するとのこと。

 なお、レジ無しデジタル店舗では、消費者はチェックインの1クリック操作のみでレジに並ばずに支払いができるため、会計時のストレスが軽減されるほか、クーポンの自動適用により手間が軽減され、よりお得な購買体験が得られる点がメリットという。

 一方で従業員や店舗経営者にとっては、レジ打ちがなくなることで業務が効率化され、労働時間の短縮が見込めたり、棚の状態を遠隔地から確認できることによって、運営負担が軽減されるたりする点がメリットとのこと。さらに、従業員の省力化や労働環境改善により、人手不足の中でも店舗運営が持続可能となることもメリットとして挙げられた。

 また企業(本部)側では、レジ待ち解消による購買機会を最大化できる、消費者の行動動線やアクションをデータで把握することによる拡販チャンスの獲得や、店舗設計/マーケティングへの活用が可能になることなどがメリットとしている。

 NTTデータでは今後、今回のサービスを拡充させるため、自社の決済総合プラットフォーム「CAFISR(キャフィス)」との連携により、多様な決済手段やデバイスなどを含めて、リアル店舗・ECサイト双方での決済接点を提供するなど、次世代デジタルストアプラットフォームを構築していく考え。

 加えて、NTTデータが主催するオープンイノベーション活動「豊洲の港から」などに参加する、先進技術を持ったベンチャー企業と協力し、レジ支払いなしで商品を購入できる機能にとどまらない、新たな機能を順次拡充する予定とのことだ。