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カスペルスキーのWindows端末向けセキュリティソフト新版、機械学習を利用した新機能などを搭載
統合セキュリティ管理ツールでは新たにWebコンソールを提供
2019年8月1日 15:13
株式会社カスペルスキーは1日、法人向けセキュリティ製品の新版として、Windows向けのセキュリティソフトウェア「Kaspersky Endpoint Security for Windows(バージョン11.1.1)」、統合セキュリティ管理ツール「Kaspersky Security Center(バージョン11)」を提供開始すると発表した。
Kaspersky Endpoint Security for Windowsは、Windows環境向けのセキュリティ機能を統合的に提供するソフトウェア。Kaspersky Security Centerは、PCやサーバー、モバイル、仮想化環境などのマルチプラットフォームに対応した統合セキュリティ管理ツールである。
このうちKaspersky Endpoint Security for Windowsの新版では、次世代セキュリティ技術を利用した保護機能を追加した。
そのひとつであるアダプティブアノマリーコントロールは、アプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃に有効な防御機能。機械学習を用いて、ユーザー個別のエンドポイントで実行されるさまざまなアプリケーションの挙動を学習し、各エンドポイントの通常の状態をあらかじめ把握しておく。その上で、エンドポイント全体においてアプリケーションが通常とは異なる不審な動作をした場合、それを検知して動作をブロックしてくれる。ブロックは自動で実行されるため、管理者やユーザー側の設定は不要とのこと。
また、MicrosoftのAntimalware Scan Interface(AMSI)に対応したアプリケーション側から、PowerShell、JavaScript、VBScriptなどのスクリプトエンジン、Office VBAマクロといったオブジェクトをKaspersky Endpoint Security for Windowsに送信し、マルウェアかどうかの詳細なスキャンを行えるようになった。これにより、従来は検知が難しかった難読化されたスクリプトや、ファイルレスマルウェアへの対応が可能となっている。
このほか、HTTPSトラフィックのスキャンが可能になり、HTTPS通信を用いて攻撃を行う脅威の検知・ブロックに対応。さらに、Windows 10上でLinuxのアプリケーションが利用できるWindows Subsystem for Linux(WSL)上のファイル、アプリケーションやトラフィックのスキャンにも対応した。
なお、利用可能なWindows製品も拡大され、新たにWindows 10 HomeおよびEducationをサポートしている。
一方、Kaspersky Security Centerの新版では、新たにWebコンソールを搭載し、Webブラウザを通してエンドポイントのセキュリティ設定・管理を行えるようになった。視認性を重視したデザインの採用に加え、タブレット端末などのタッチスクリーンに対応したため、より容易な管理が可能になるとしている。
Kaspersky Endpoint Security for WindowsおよびKaspersky Security Centerは、エンドポイントセキュリティ統合プラットフォーム「Kaspersky Endpoint Security for Business Select」「Kaspersky Endpoint Security for Business Advanced」のライセンス内で利用可能。ただしアダプティブアノマリーコントロールは、Kaspersky Endpoint Security for Business Advancedのライセンスでのみ利用できる。
ライセンス価格(税別)は、Kaspersky Endpoint Security for Business Selectが10万4300円(1年1ライセンス1万430円×最低10ライセンス)から、Kaspersky Endpoint Security for Business Advancedが27万9000円(1年1ライセンス2万7900円×10ライセンスから)となっている。