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日本オラクルがデジタルトランスフォーメーション推進室を開設、10人の専門家でスタート
2019年7月30日 06:15
日本オラクル株式会社は29日、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みについて説明会を開催。6月に新たな部門となるDigital Transformation推進室(以下、DX推進室)を新設したことを発表した。同推進室の設立は、同社 取締役 執行役社長 最高経営責任者であるフランク・オーバーマイヤー氏が、社長に就任した2年前より計画していたプロジェクトだ。
DX推進室は、専門性の高い人材を集結させ、10人規模でスタートする。ただし、同部門のみで事業をスケールさせるのではなく、「営業部門を含め、周辺組織と協力して横連携を図り、10人の専門知識を幅広く活用していく」(日本オラクル 執行役員 クラウド事業戦略統括の竹爪慎治氏)予定。
竹爪氏は、同社のDX戦略について、「これまでの強みと新たなテクノロジーで、データを駆使したイノベーションを支援する」としている。その中でDX推進室は「データドリブンイノベーション」「共創」「グローバルナレッジの活用」「データアナリシス」「プロトタイピング」といったキーワードを軸に、ビジネスにおける課題や社会的課題を解決し、新サービスの創出を早期段階から支援するという。
「顧客がオラクルに期待することとして、データ活用は欠かせない。オラクルの付加価値を強調する意味でも、データドリブンイノベーションを実現していく」と竹爪氏。また、顧客と協力してオープンイノベーションを推進することが重要だとして、共創のプロセスは欠かせないと語る。
DX推進室の室長に就任した七尾健太郎氏も、「これまでオラクルでは顧客と一対一の付き合いが多かったが、今では顧客同士でコンソーシアムを組んだり団体でプロジェクトを進めたりといった動きがある。DX推進室はそのような動きにも対応できるチーム編成だ」としている。
また、DX推進室では、日本独自のノウハウだけでなく、グローバルにおける同様の取り組みから導き出されたベストプラクティスを活用しつつ、新たなサービスモデルの中にテクノロジーを組み込む仕組みを議論するという。
実際のデータ活用においては、経験のある専門家がデータアナリシスとビジネスアナリシスを支援。その上で、オラクルのクラウドポートフォリオを活用したプロトタイピングに結びつける。ここでは、オラクルのフルスタックのクラウドポートフォリオを活用し、「IaaSやPaaSだけでなく、われわれの強みであるSaaSレイヤーのビジネスサービスも稼働させ、顧客のイメージするものをアジャイル開発していく」(竹爪氏)という。
DX推進室では、人工知能や機械学習、IoT、ブロックチェーン、デジタルアシスタント、ARやVRといった新興技術を駆使した変革を積極的にサポートする。会見にて七尾氏は、オラクルの新興技術を駆使した製造業のデモを実施。「Oracle Digital Assistant Cloud」で受注に対応し、工場で製造を開始、製造機器に異常が発生した際には「Oracle IoT Asset Monitoring」で検知して自動停止させ、修理部品の運搬から納品までを「Oracle Blockchain Platform Cloud」で追跡、トレーサビリティを向上させる様子を披露した。
日本オラクルは、5月にOracle Cloudの東京リージョンを開設したばかりで、DX推進室のサービスも東京リージョンから提供する。東京リージョンの開設にあたり同社では、中小企業向けの顧客にクラウドを提案する組織Oracle Digitalに加え、エンタープライズの顧客にもクラウドを提供するクラウド専任営業部門を立ち上げるとしていたが、「新たなサービスにからむ部分は、DX推進室がこの2部門と協力してサポートしていく」(竹爪氏)としている。