ニュース

NEC、セキュアな自営モバイルネットワークの構築を可能にするプライベートLTEシステムを開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)は22日、1.9GHz周波数帯を使用した自営通信用TD-LTE規格であるsXGPに対応したプライベートLTEシステムを開発したと発表した。

 プライベートLTEは、LTE方式を用いた、企業などが自ら運用する自社専用のローカル無線通信ネットワーク。今回、NECが開発したシステムは、sXGP対応アクセスポイント(AP)およびAPコントローラから構成される。

sXGP対応アクセスポイント

 sXGPは免許不要である1.9GHz帯の周波数帯を用いており、外来ノイズなどによる無線干渉の影響が少なく、安定した通信が可能。また、秘匿性の高いLTE方式のSIM認証を採用しているため、セキュアな自営モバイルネットワークの構築が可能となる。

 また、対応アクセスポイントは、顧客の環境に応じて天井/壁掛けの2通りの設置ができ、PoE対応によりEthernet経由で給電ができ、電源がない場所でも設置できる。さらに、APコントローラにより、複数のsXGP対応APの集中管理が可能となるため、管理工数と運用コストを削減できる。

 システムは、NECのコミュニケーションサーバー「UNIVERGE SV9500CT」や「UNIVERGE SV9300CT」「UNIVERGE Aspire WX」と組み合わせることで、モバイル環境(UNIVERGE ST500による内線通話など)や業務システムにも活用でき、sXGP対応スマートフォンなどを利用したワークスタイルを実現できる。

 NECでは、自動化、ICT化が進む病院や工場・倉庫などには、秘匿性の高いsXGPネットワークが適しており、災害にも強く、公衆回線の通信が断絶しても、単独で動作するためBCP対策としても親和性が高く安全だとしている。

 病院向けには、sXGPで無線化した内線システムとナースコールシステムを連動させた病院向けソリューションの提供に向け、ナースコールベンダーとの取り組みを進めており、工場・倉庫においては、構内のネットワークを無線化することにより、工場設備のレイアウトフリー化、倉庫内でAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)による運搬自動化などを実現し、スマート工場化、スマート倉庫化に寄与するとしている。

病院や工場・倉庫等でのsXGPユースケース

 NECでは、これらのユースケースを含め、sXGPのトータルソリューションの提供に向けた取り組みを進めていると説明。また、スマートフォンについては、シャープ株式会社とsXGP対応に向けた技術協議を行っているという。

 NECは、同システムの提供により、ネットワークを柔軟に活用し、人・モノが生み出すデータを産業の枠を超え賢くつなぐ「NEC Smart Connectivity」の提供を加速し、新たな社会価値を創造していくとしている。